現在開催中の女子テニスツアー公式戦「HSBC選手権」(6月8日~14日/イギリス・ロンドン/芝コート/WTA500)に出場している元世界ランキング10位のエマ・ラドゥカヌ(イギリス/現42位)が、先日行なわれた四大大会「全仏オープン」(フランス・パリ/クレーコート)で準優勝を飾った24歳のマヤ・フワリンスカ(ポーランド/同21位)を称賛した。
100位圏外かつ無名選手だったフワリンスカの快進撃は、周囲の予想を大きく覆す出来事となった。
予選3試合を勝ち抜いて全仏オープン本戦初出場を果たすと、その後もジェン・チンウェン(中国/大会時56位)、エリーズ・メルテンス(ベルギー/同21位)、マリア・サッカリ(ギリシャ/同49位)、ディアーヌ・パリー(フランス/同92位)、アンナ・カリンスカヤ(ロシア/同24位)、ディアナ・シュナイダー(ロシア/同23位)ら実力者を次々と撃破。決勝では19歳のミラ・アンドレーワ(ロシア/同8位)に敗れ、四大大会初優勝にはあと一歩及ばなかったものの、大会史上初となる予選からの決勝進出という快挙を成し遂げた。
また四大大会全体で予選勝者が決勝に進んだのは、2021年の全米オープンを制したラドゥカヌ以来史上2人目。記録ずくめのマイルストーンを手にしたことに加え、大会後に更新された世界ランキングでも114位から順位を一気に93上げて21位に浮上し、キャリア初のトップ30入りまで達成した。
一方、現在23歳のラドゥカヌは当時18歳で世界150位だった21年の全米にて、予選から本戦決勝まで怒涛の10連勝をマークしグランドスラム初優勝。しかも全試合ストレート勝ちで頂点まで駆け上がるという衝撃的な偉業を打ち立てた。サーフェス(コートの種類)や最終結果こそ異なるものの、両者がたどった道のりには共通する部分が多い。
ラドゥカヌは「HSBC選手権」開幕前に英公共放送『BBC Sport』の取材に応じ、フワリンスカの快挙を次のように称えた。
「最高峰の四大大会で予選から決勝に進むなんて、本当にめったに起こらないことです。彼女は信じられないようなことを成し遂げました。彼女がプレーを楽しんでいる姿や活躍する姿を見られたことが本当にうれしかったです。大きな自信になったと思います」
さらに、自身がニューヨークで打ち立てた偉業についても、将来的に後に続く選手が現れる可能性は十分にあるとの見方を示した。
「私が成し遂げたことは今のところ誰も達成していませんが、まだまだ先は長いですし、同じことを達成する選手が出てくる可能性は十分にあるでしょう。私にできたのなら、他の選手にもできると思います」
実は先の全仏期間中、フワリンスカ自身もラドゥカヌの全米優勝について「本当に信じられないような快進撃だったと思います。しかもあの時はまだ18歳ととてつもなく若かったのに、1セットも落とさずに優勝して本当に驚異的でした」と言及していた。異なる舞台で歴史を刻んだ両者。互いの言葉からは、確かなリスペクトが感じられる。
文●中村光佑
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