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GⅠ2連勝中クロワデュノールに「死角なし」 対抗はメイショウタバルでも、レガレイラでも、ダノンデサイルでもなく…【宝塚記念】

GⅠ2連勝中クロワデュノールに「死角なし」 対抗はメイショウタバルでも、レガレイラでも、ダノンデサイルでもなく…【宝塚記念】

6月14日、上半期の総決算となるファン投票レース、宝塚記念(GⅠ、阪神・芝2200m)が行なわれる。

 今年はかなりの豪華メンバーが揃った。一昨年の日本ダービー馬に、昨年の皐月賞、日本ダービー馬をはじめ、昨年の本レース勝ち馬、GⅠ3勝の女傑…まさに多士済々の顔ぶれであるとともに、近走が充実している文字通りの有力馬たちである。

 毎年気になるのが梅雨時期に差し掛かる宝塚記念の天候だが、日曜日まで降雨はなし。コンディション維持のためにいくらか散水はされるかもしれないが、まず間違いなく良馬場で行なわれるだろう。
  さて、今年の出走馬のなかで1番の評価を受けるのは、大阪杯(GⅠ)、春の天皇賞(GⅠ)と勝ち進み、いよいよ春の古馬中長距離三冠に王手をかけたクロワデュノール(牡4歳/栗東・斉藤崇史厩舎)である。ファン投票では36万6039票を集めて堂々の1位選出となり、GⅠを2連勝中とくれば、推さない理由が見当たらないだろう。

 それでもあえて粗探しをするならば、ここまでの2連戦の疲労はないのか、という点かもしれない。実際、距離不適を承知で臨んだ天皇賞(春)はラストに脚が上がったところを伏兵のヴェルテンベルク(牡6歳/栗東・宮本博厩舎)にハナ差まで迫られる辛勝だったたけに、疲労残りを心配する向きがあったとしても不思議ではない。だが、そこは厩舎力、牧場力に優れた“チーム・クロワデュノール”のこと。約1か月半の休養期間を活かし、ノーザンファームしがらきでの短期放牧をはさんで疲れを取り、5月20日にトレセンへ帰厩。その後は順調にトレーニングが積まれており、1週前追いこそ「停滞していたと言うか、そんな印象があった」(斎藤調教師)という状態だったということだが、最終追い切りでは団野大成騎手を背に(レースは北村友一騎手)、Wコースでシャープな動きを見せて不安を払拭した。

 もう一つ、血統派のファンが指摘するのは、父キタサンブラックが宝塚記念を落として春の古馬三冠を取り損ねていること。これだけはやってみなければ分からない部分だが、キタサンブラックが常にスパルタ調教を施されながらレースをこなしていたのと比べるならば、クロワデュノールの調教に関しては逆に柔軟性を持った内容で、細かな匙加減まで大事にする厩舎という違いもある。今回も無理な負荷をかけている印象はなく、疲労残りのまま実戦を迎えることはないだろう。

 上記の事情を踏まえて「死角なし」と判断し、クロワデュノールには不動の本命「◎」を献上する。 ここまでクロワデュノールの不安点を挙げつつ検討してきたが、それ以上に頭を悩ませる有力馬が2頭いる。昨年の皐月賞馬ミュージアムマイル(牡4歳/栗東・高柳大輔厩舎)と、一昨年の有馬記念を含むGⅠレース3勝のレガレイラ(牝5歳/美浦・木村哲也厩舎)だ。この2頭、ミュージアムマイルは①着、レガレイラは4着であった有馬記念からの直行となっている点だ。データを探ると、本レースの過去10年で、レース間隔が3か月以上開いた馬で馬券圏内に突っ込んできたのは、2023年2着のスルーセブンシーズ(牝5歳/美浦・尾関知人厩舎/当時)のみなのだ。

 個別に見ると、ミュージアムマイルはイラン戦争の影響を考慮してドバイ遠征を中止し、その後に予定していた香港遠征も歩様検査をパスできない可能性が高いとのことで、こちらも中止。もちろんその両方とも、目標のレースに向けて仕上げていった過程での遠征中止だったため、その後はいったん緩めて、また調整を開始するという作業を繰り返したわけで、その影響がどのように出るかは未知数だが、プラスの判断は下しにくい。

 レガレイラは昨年も有馬記念(①着)からの“ぶっつけ”で参戦し、11着に大敗した。ただしこのときは、有馬記念のあとに判明した右前肢の第1指骨剥離骨折を経ての復帰戦だったという背景があった。翻って今回は怪我ではなく、じっくりと体調を整えての出走ということで、事情はまったく違う。加えて、皐月賞14着だったパントルナイーフを日本ダービーで僅差2着に復活させた木村哲也厩舎だけに怖さは確かにある。

 しかし、それでもデータはデータ。この2頭を積極的に推すわけにはいかない。本来は消しとしたいのだが、能力と実績を鑑みて「注」までとしたい。
  もう1頭、検討の俎上に上げたいのは昨年の覇者、メイショウタバル(牡5歳/栗東・石橋守厩舎)である。メイショウタバルの戦術(脚質)は、ご存知のとおり「逃げ」。気分よくマイペースで逃げられれば昨年の宝塚記念や、今年の大阪杯(2着)のように強い競馬ができるが、逆に他の馬に絡まれたり、スムーズにハナを奪えないと惨敗も覚悟せねばならない極端なタイプだ。そして今回だが、外目の16番枠に入ったうえ、さらに外の18番枠には同タイプのミステリーウェイ(せん8歳/栗東・小林真也厩舎)が入った。展開はゲートが開くまで分からないが、メイショウタバルがラクに逃げを打つのは難しいと考えるのが自然だろう。阪神の芝では〔3・1・0・0〕という圧倒的な実績は持つものの、今回は狙いを下げてヒモ(△)に抑えておく。 では、クロワデュノールに続く対抗馬にはどう狙いを付けるのか。本稿では伏兵的な存在のタガノデュード(牡5歳/栗東・宮徹厩舎)を抜てきする。タガノデュードは出世するまでに20戦以上を要した遅咲き。昨年1月の寿ステークス(3勝クラス)を突破して臨んだ小倉大賞典(GⅢ)を3コーナーからのマクリで差し切って、ようやく重賞初制覇を成し遂げた。そして続く大阪杯では単勝オッズ113.2倍の13番人気に過ぎなかったが、ここでも3コーナーからマクって、勝ったクロワデュノールから0秒3の4着にまで差を詰め、GⅠレースでも戦える目途をつけた。

 次走の天皇賞(春)はクロワデュノールから0秒8差の6着に甘んじたが、これは距離適性が合わなかったもので、さして気にすることはないだろう。今回の宝塚記念は前が速くなりそうで、終盤に後方からマクって出るのを得意とするタガノデュードにはお誂え向きの展開になる公算が大。実績面では上位人気馬に見劣るのは仕方ないが、新たに手綱をとる若武者・高杉吏麒騎手の思い切った騎乗にも期待を寄せて、対抗(〇)と評価する。
  3番手に取り上げるのは、一昨年の日本ダービー馬であるダノンデサイル(牡5歳/栗東・安田翔伍厩舎)。その能力の高さはもはや説明の必要もないだろうが、昨年のドバイシーマクラシック(GⅠ)で欧州年度代表馬になるカランダガンを下して圧勝して以降は詰めの甘いレースが続いているのは気掛かりな点。戸崎圭太騎手に手が戻るのはプラス材料だが、決め手比べでは分が悪いと考えて評価は単穴(▲)までに抑えておきたい。

 その他、連下にマークしておきたいのは3頭。有馬記念で2着に粘り込んでファンをアッと驚かせ、今回も積極的なレースでその再現を狙うコスモキュランダ(牡5歳/美浦・加藤士津八厩舎)。清水厩舎ならではの猛稽古で調子を上げ、鞍上を川田将雅騎手にスイッチして臨むマイネルエンペラー(牡6歳/栗東・清水久詞厩舎)。日経賞(GⅡ)を強烈な決め脚で制して重賞ウイナーの仲間入りを果たし、横山典弘騎手の自在な手綱さばきが嵌った際に恐ろしい存在となるマイユニバース(牡4歳/栗東・武幸四郎厩舎)。ここまでをカバーしておきたい。

文●三好達彦

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配信元: THE DIGEST

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