1999年にフジテレビの木曜劇場枠で放送された「リング~最終章~」で貞子を演じて一躍、注目を浴びることとなった木村多江。その後、多くのドラマや映画に出演するも、作品中の役どころや、どこか寂しそうな笑顔、醸し出される儚げなイメージなどのせいで、いつの間にか「薄幸女優」と呼ばれるようになった。
木村は1971年生まれの55歳。白百合学園高等学校を卒業後、昭和音楽芸術学院ミュージカル科に進学し、在学中から舞台女優として活動する。
しかし21歳の時に、父親が49歳の若さで他界。大黒柱を失い、一時期は木村が複数のアルバイトをかけもちして家計を支えていたこともあった。この頃の経験が、木村の「幸の薄そうな」雰囲気の元になっているのかもしれない。
木村が出演するCMを担当していた電通の社員と、2005年6月に結婚。2008年2月に第1子女児を出産した。この年の6月に公開され、木村にとって初主演となった映画「ぐるりのこと。」で、日本アカデミー賞最優秀主演女優賞、ブルーリボン賞主演女優賞、高崎映画祭で最優秀主演女優賞を受賞し、公私ともに「薄幸」とは無縁の、充実した日々を迎えることとなった。
そんな木村だが、近年になると狂気的な役どころやコント番組でも活躍し、その振り幅の大きさから、称号は「怪演女優」へと変化。今年7月には「わたしの書、頁を図る」で舞台初主演も務める。ここ数日はその告知もあってか、テレビで彼女を見る機会が多い。
6月11日放送の「徹子の部屋」(テレビ朝日系)に出演した際は、昭和音楽大学の2代目学長であり、日本を代表するテノール歌手の奥田良三氏が大叔父であることが明かされた。
しかも徹子の父・黒柳守綱氏と奥田氏は友人関係にあり、当時は良三氏の弟と徹子をお見合いさせる話があったという。
「もしかしたら(徹子さんと)親戚になってたかもしれない」
と言って、徹子を驚かせていた。
よりによって「チコちゃんに叱られる!」の再現VTRが!
翌6月12日には「あさイチ プレミアムトーク」(NHK総合)に出演。親友である坂井真紀の証言をはじめ、子育てのこと、夫と分担して行っている日々の料理のことなど、興味深い話が満載だった。最も印象的だったのが、「泣きのシーン」について語った場面だ。
実際は何時間もかけて泣きのシーンを撮影しているため、
「だんだん涙も枯れてきちゃうし、感覚がなくなって泣けなくなっちゃうので、その前に体にシステム化しておくんですよね」
視聴者や観客が最も心を引き込まれるタイミングで泣けるよう、自身の感情を盛り上げるとともに、横隔膜を揺らすという技術まで駆使していると明かしたのだ。
ところが、そんな木村の真骨頂である「泣き」のシーンを紹介するのに使われたのが、よりにもよって「チコちゃんに叱られる!」(NHK総合)の再現VTRで、「髪の毛」に扮した時のものだったのだ。
木村はこの時の撮影では、泣きの技術を駆使せず、目薬を使ったと明かしたのだが、おいおい、せっかく演技テクニックを本人が語ったあとなのに、もっと適した映像がいくらでもあっただろうに。
ここで話題は、くだんの初主演舞台に移ったのだが、はたして宣伝効果はあったのだろうか。木村が「もうチコちゃんには出ない!」と怒っていないか心配だ。
(堀江南/テレビソムリエ)

