
BTSが、6月13日にデビュー13周年を迎えた。この時期恒例のメモリアル企画「BTS FESTA」は、RM、JIN、SUGA、J-HOPE、JIMIN、V、JUNG KOOKの7人とARMY(=ファンネーム)が歩みを確かめ合う時間だが、兵役による長い空白期を経て完全体でカムバックした2026年は、その意味合いがいっそう濃いように感じる。
■話題の“隠しトラック”を配信リリース
BTSが所属するBIGHIT MUSICは13周年を祝う「2026 BTS FESTA」の一環として、5thアルバム『ARIRANG』のDeluxe Vinylのみに収録されていた“隠しトラック”で、SUGAのプロデュース曲「Come Over」を6月12日に配信リリース。同曲は、ファンとの再会を準備するアーティストの率直な感情を込めた楽曲で、音源公開が決まるや「待ってました!」「うれしい!」と世界中のARMYが歓喜した。
完全体“カムバック”後初となるツアー「BTS WORLD TOUR ‘ARIRANG’」は、4月9日の韓国・高陽を皮切りに、6月12日までに東京、アメリカ・タンパ、エルパソ、メキシコ・メキシコシティ、アメリカ・スタンフォード、ラスベガスで公演。6月12日、13日の釜山ライブはツアーの流れの中に存在するが、13日がデビュー記念日ということで13周年の“祝祭”であると同時に、BTSが再び現在進行形のトップグループとして動き出す節目となるだろう。
また、このほど開幕したサッカー「FIFAワールドカップ2026」北中米大会の決勝(日本時間:7月20日)で行われるハーフタイムショーに、マドンナやシャキーラと共に出演することも決定するなど、この夏は忙しく世界を飛び回る彼らの姿が見られそうだ。
■世界的スター・BTSの苦悩と挑戦、日常と本音を描く
「BTS FESTA」の一環として、6月11日にYouTubeで配信スタートした「BTS会食 2.0」でも、過去のツアー中の生活を回顧していたが、彼らの濃い活動期間を振り返ることができる作品として、デビューからの10年間を追ったドキュメンタリー「BTS Monuments: Beyond The Star」(全8話/ディズニープラスで配信中)がある。今作は2023年の10周年時に配信開始したもので、リーダー・RMを中心に集まった7人がいかにしてBTSとして一つになり、どう規模を拡大していったのかがつぶさにうかがえる。
時は2013年6月のデビューショーケース(お披露目イベント)までさかのぼる。グループのマンネ(最年少)のJUNG KOOKだけでなく、7人全員があどけなさの残る表情をしながら、デビュー曲の「NO MORE DREAM」(1stシングル『2 COOL 4 SKOOL』収録曲)に合わせたヒップホップファッションに身を包み、ステージに向かう。
それと同時に、まだ小さかった地下のレッスン場でくたくたになりながら、K-POPの代名詞である群舞の精度を上げるために何度も何度も繰り返し踊り続ける。その末に7人は、エンターテインメント超大国であるアメリカで認められ、1年ごとに世界の音楽シーンにおける存在感を増していく。
前人未到の場所に至るまでの苦悩と挑戦、7人の日常と本音、そして「BTSの10年。その先のストーリー」を描く内容だ。ここで重要なのは、同作が成功体験のみを語る作品ではないという点である。華やかな受賞歴やワールドツアーの裏側にある、迷い、疲労感、将来への不安があったことが可視化されている。彼らは常にそうした心のうちを告白し、そこも記録されている。だからこそ、ARMYだけでなく、多くの人の心に響くコンテンツとなっている。
「BTS FESTA」期間は、決して過去を懐かしむだけの記念日ではない。特に完全体でカムバックした今年は、7人がどのように世界のポップアイコンとなって、どのように個々の時間を過ごし、再びグループとしてどう歩き出していくかを確認する期間でもある。
軍白期に入る前に最高の瞬間は「Yet To Come」(まだこれから)とメッセージを送った7人が、カムバ後に見せてくれるのはその先の景色。2026年のデビュー記念日はファンにとって“お祝い”であると同時に、「2.0」(第2章)の始まりを見届ける瞬間になることだろう。
◆文=及川静

