現地時間6月12日(日本時間13日、日付は以下同)、「NBAファイナル2026」第5戦を翌日に控え、ニューヨーク・ニックスとサンアントニオ・スパーズの選手たちとヘッドコーチたちがメディア応対に臨んだ。
今年の頂上決戦は、10日の第4戦でニックスが第3クォーター途中に背負った29点差(52-81)をひっくり返し、最後はOG・アヌノビーの決勝ティップショットが入って107-106で勝利。3勝1敗で優勝に王手をかけた。
NBAファイナルの歴史上、これまでにシリーズ成績を3勝1敗にした38チームのうち、37チームがシリーズを制覇。唯一の例外は2016年で、クリーブランド・キャバリアーズが1勝3敗からゴールデンステイト・ウォリアーズに3連勝しているが、データ上でもニックス優勢は揺るがない。
ニックスは13日の第5戦で再び敵地フロストバンク・センターへ戻るとはいえ、シリーズ最初の2試合を制しているだけに、1973年以来初のリーグ制覇を決める絶好のチャンスと言える。
ただ、シリーズはまだ終わってはいない。ニックスが崖っぷちに立たされたスパーズをあと1回倒さなければ、決着はつかない。そうしたなか、チームを引っ張るジェイレン・ブランソンはこう語っていた。
「僕はいつだって自分自身に言い聞かせてきたし、両親からも教えられてきた。『失敗を恐れるな』とね。夏の間、コート上で何が起こるかを想像しながら、常にそういう状況へ身を置くようにしている。
そうすることで、チャンスが訪れた時に恐れることなく臨むことができる。それに、これまで努力を重ねてきたからこそ、どんな状況でも必ず何かを学べるという自信が生まれるんだ。誰も見ていないところで積み重ねてきた努力の数々があるからこそ、スポットライトが当たる場面でも、自信をもってプレーできる。両親が、その考え方を僕へ植え付けてくれたんだ」
公称188cm・86kgのブランソンは、シリーズ4戦を終えてフィールドゴール成功率39.6%、3ポイント成功率34.5%と決して高いとは言えない。それでも、ニックスのトップスコアラーとして自ら率先してショットまで持ち込み、3試合で30得点以上をマークしている。 第4戦ではシリーズベストのフィールドゴール成功率48.0%(12/25)、36得点、7アシストと爆発。シリーズ平均29.5点、4.5リバウンド、5.0アシスト、2.0スティールと、獅子奮迅の働きを見せている。
ニックスにはブランソンのほか、第4戦で決勝弾を沈めたアヌノビー、万能型ビッグマンのカール・アンソニー・タウンズ、ショットが不調でもリバウンドやディフェンスで献身的な働きを続けるミケル・ブリッジズとジョシュ・ハートもおり、ベンチメンバーも限られたプレータイムの中で貢献し、チーム一丸で戦っている。
シリーズ最初の3試合では第4クォーター無得点だったタウンズは、第4戦の最終クォーターに逆転へつながる5得点を奪取。さらにスパーズ最後のポゼッションでは、相手のインバウンズパスに対し指を当ててシュートチャンスを阻止するなど、絶大な貢献をした。
在籍2年目のタウンズを、ブランソンはこう評している。
「僕はチームメイトとしての彼の素晴らしさ、そして彼の犠牲を目の当たりにした。彼がキャリアを通して成し遂げてきたことを考えると、殿堂入りにふさわしい選手だ。正直なところ、彼は他の何にも代えがたい存在なんだ。彼が成し遂げてきたことはとてつもないものであり、僕が彼についてこんなに褒めちぎっているのをどう思うかはわからないけど、彼は素晴らしいバスケットボール選手であって、同時にそれ以上に素晴らしいチームメイトなんだ」
ブランソンを中心に結束を高め続けるニックス。13日の第5戦でシリーズに幕を下ろし、球団史上3度目のNBAチャンピオンへ輝くことができるか必見だ。
文●秋山裕之(フリーライター)
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