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甘い空気感は絶対に許されない。「自分がやっていかないといけないという思いも強い」。大役を担う板倉滉のリーダーシップ【日本代表】

甘い空気感は絶対に許されない。「自分がやっていかないといけないという思いも強い」。大役を担う板倉滉のリーダーシップ【日本代表】


 現地6月14日の北中米ワールドカップ初戦・オランダ戦の3日前に、日本代表の遠藤航(リバプール)が怪我のためチームを離脱。キャプテンは代表引退を表明した。

 当日には、長友佑都(FC東京)や田中碧(リーズ)が涙目で姿を現わすなど、チームにはかなりの動揺が感じられた。

 一夜明けた12日。日本代表はマインドを切り替えて、ナッシュビルで非公開練習を実施。オランダ対策を入念に確認した模様だ。

 新キャプテンに任命された板倉滉(アヤックス)は「オランダについては確認等、今日も含めてやっていますし、守備においても攻撃においても、チームとして共有するところを練習しています。

 うまくいかなかったらもう一度、話し合って詰めてきているので、あと1日あるのでもう一個、引き締めつつ、さらに共有できたらいいと思います」と力強くコメント。ここ数日間で敵の出方、個々の特徴などを徹底的に検証し、自分たちがやるべきことを細部まで追い求めていることを明かした。

 妥協せずに準備を続け、本番で100%表現できるか否か。そこにオランダ戦の成否がかかっている。甘い空気感は絶対に許されないし、少しでも緩みがあると板倉が感じたら、厳しい姿勢を示すことも必要だ。
 
 もともと性格的に穏やかで優しい彼に、そういう仕事を求めるのは酷かもしれないが、このぎりぎりな状況でキャプテンの重責を引き受けた以上、鬼になって周りを鼓舞する強いマインドを持たなければいけない。改めて強い覚悟を抱いてほしいところだ。

 幸いにして、ともに元主将の長谷部誠コーチとサポートメンバーの吉田麻也(LAギャラクシー)、39歳の大ベテラン長友佑都(FC東京)らが周りにいる。彼らの力を借りながら、緊急就任したリーダーは日本の総力を結集させていけるのだ。

「本当に、今のチーム状況は恵まれているなと感じます。麻也君がいて、ハセさんがいて、佑都君がいて、俊さん(中村俊輔コーチ)もいる。ただ、一選手として、チームとして、自分がやっていかないといけないという思いも強いので。たくさんコミュニケーションを取りながら、気負いすぎずにできればいいかなと思います」と、板倉は改めて周りに感謝しつつ、意思疎通を密にしていく構えだ。

 そのコミュニケーション能力が秀でていると森保一監督から判断されたからこそ、板倉はキャプテンに抜擢されたのだろう。

「滉君は愛されているので。それは全選手が感じていること。自分が板倉滉をサポートする気持ちが強まった」と、U-20日本代表時代からの盟友・堂安律(フランクフルト)は話していたが、板倉は敵を作らず、誰とでもガラス張りで付き合えるタイプの人物だ。

 2017年U-20W杯で共闘した小川航基(NEC)、冨安健洋(アヤックス)、久保建英(レアル・ソシエダ)とは長い付き合いだし、東京五輪世代のメンバーとも強固な信頼関係を築けている。若い世代の面倒見も良く、“板倉を真ん中に据えるのが、遠藤不在の中、日本が勝っていくための最適解だ”と指揮官は考えたに違いない。
 
 今はまさに緊急事態。30代の谷口彰悟(シント=トロイデン)、あるいは強引に周りを引っ張れる堂安の方がキャプテンに向いているのではないかという見方をする人も少なくないだろう。それでも森保監督が板倉を選んだ意味は大きい。

 自身が10年近い時間をかけて共闘してきた東京五輪世代を年長者とともに、このW杯を戦い、最高の景色を見たいと願ったからこそ、板倉を抜擢したはずだ。

 その大きな期待に彼は応えなければならない。板倉なりのリーダーシップを示して、結果を出すことが肝要だ。日本代表がこの難局を乗り切れるかどうかは、29歳の背番号4の行動次第と言っても過言ではないだろう。

 その板倉は目下、オランダ戦でスタメンが確実とは言えない立ち位置にいる。2025年10月のブラジル戦、今年3月のイングランド戦を欠場しているからだ。そこで歴史的勝利の原動力になった谷口を3バックのセンターに据える判断を指揮官が下しても、決して不思議はない。
 
 万が一、ベンチスタートになった場合でも、新キャプテンは外から俯瞰して的確な指示やアドバイスを送ることが強く求められる。

「今、やっているなかで戦術面とかをいろいろ確認するなかで、不安だったりを感じている選手がいれば、それを聞きたい。とにかく、1試合目でどれだけみんなが気持ち良く試合に臨めるかが大事になってくるので、そこを求めてやりたいなと思います」

 そう語る板倉には、オランダ戦を安心して戦える最高の環境作りを託したい。

取材・文●元川悦子(フリーライター)

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配信元: SOCCER DIGEST Web

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