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岩井俊二監督、黒木華&綾野剛&森七菜らからの質問に回答「作品づくりは一生かかってもゴールまでたどり着きそうにない」

岩井俊二監督、黒木華&綾野剛&森七菜らからの質問に回答「作品づくりは一生かかってもゴールまでたどり着きそうにない」

「リップヴァンウィンクルの花嫁」10th Anniversary Special Screening 舞台あいさつに登壇した岩井俊二監督
「リップヴァンウィンクルの花嫁」10th Anniversary Special Screening 舞台あいさつに登壇した岩井俊二監督 / 撮影:田中隆信

岩井俊二監督が6月13日に都内で行われた映画「リップヴァンウィンクルの花嫁」10th Anniversary Special Screeningの舞台あいさつに登壇した。

■「動物が主人公のものも子どもの頃からのやりたい夢でした」

本作は、2016年3月26日に劇場公開された、岩井俊二監督、黒木華主演の映画作品。綾野剛やCoccoをはじめとするキャストが出演し、黒木が「第40回日本アカデミー賞」優秀主演女優賞を受賞するなど、2016年を象徴する話題作となった。独特の余韻が残るその世界観が見る者の心をそっととらえ、公開から10年を迎えた今も多くのファンに愛されている。

本編上映の後の舞台あいさつに岩井監督が登壇し、「『リップヴァンウィンクルの花嫁』という作品を10年前に作りまして、それから毎年、七海生誕祭というイベントでファンの皆さんと交流を続けてきました。そういう流れの中で10周年を迎えられたということで、自分の中でもやっぱり特別に愛しい映画だなと改めて思います」と、ファンへの感謝と作品への思いを語った。

最初の質問は、”安室行舛”役の綾野。「岩井さんが今後描きたい題材は?」「映画に求めていることは?」「(安室が連絡を取るとされる劇中に登場する謎のアカウント名)ランバラルは岩井さんなのでは?」という3つの質問を投げかけた。

岩井監督は「やりたいものはいろいろあって。時代劇的なものもやってみたいし、なかなか企画が通らないと思うんですけど、ネコとかネズミとか動物が主人公のものも子どもの頃からのやりたい夢でした。どうですかね(笑)」と回答。

そして、「8mmフィルムを復刻して使える環境にしてほしい。現像とか、全くできないわけじゃないけど、なかなか出来なくて」と2つ目の質問にも回答し、最後の質問については「ランバラルって、誰なんですかね? ご想像にお任せします」とはぐらかし、「『この人じゃないか』っていう人がいたらぜひメッセージをください」と呼びかけた。
「リップヴァンウィンクルの花嫁」に出演している綾野剛から3つの質問
「リップヴァンウィンクルの花嫁」に出演している綾野剛から3つの質問 / 撮影:田中隆信


■Cocco「パイナップルは好きですか?」

続いて、“里中真白”役のCoccoの姿がスクリーンに映し出された。「公開から10年ということで、あっという間だなって感じなんだろうけど、自分的には、まだ10年かってくらい、20年も30年も、もしかしたら自分が生まれる前の話みたいな感じで、あの作品に参加させてもらえた経験が夢みたいな感じで実感がなくて。竜宮城に行ってた時間みたいな感じだから、『そんなことがあったのかな、自分の人生の中で』ってくらい遠い遠い昔の、本当はそんなことはなかったんじゃないかっていうくらいの気持ちです」と今でも実感がないと伝える。

また、「Coccoは沖縄でこんなふうに余生をゆっくり送っているので、もう二度と会うことはないと思います。皆さん、お元気でお過ごしくださいね(笑)」とユーモアを交えて近況を報告し、「パイナップルは好きですか?」という質問を投げかけた。

その質問に対して、岩井監督は「もちろん好きです。子どもの頃から大好物で、缶詰も好きでしたね。酢豚に入っているのを嫌がる人もいますけど、僕はあれも大丈夫です」と回答。
Coccoは沖縄のスタジオで撮ったVTRで出演
Coccoは沖縄のスタジオで撮ったVTRで出演 / 撮影:田中隆信


「リップヴァンウィンクルの花嫁」10th Anniversary Special Screening 舞台あいさつより
「リップヴァンウィンクルの花嫁」10th Anniversary Special Screening 舞台あいさつより / 撮影:田中隆信

■森七菜「映画づくりに突き動かしている原動力は何ですか?」

続いては、VTRではなく、テキストで寄せられた質問を発表。一つは、脚本家・野木亜紀子氏から、作品の中での七海の行動を例に挙げ、「初めからこの展開を想定していましたか? また人物造形の際に気をつけていることを教えてください」と、脚本家らしく作品の気になる細部について尋ねた。

これに対して、岩井監督は「やってる時は夢中になってやってるので、どうやってそこまで行ったのかあまり思い出せなかったりするんです。でも、手を変え品を変え、迷路の中を逃げ惑う七海を追い詰めていく感じでトラップを仕掛けていくのは楽しかった思い出がありますね」と撮影時に思っていたことを答えとして伝えた。

もう一人、森七菜からの質問は「岩井監督を映画づくりに突き動かしている原動力は何ですか?」というもので、「18歳の時に8mmフィルムをやり始めて、その頃に思ったことなんですけど、作品づくりは一生かかってもゴールまで辿り着きそうにないなって。そういう境地まで簡単に行けそうもないなって気がしたので、少なくとも、生きてる限りは飽きなくていいかなって気がしてます」と、明確なゴールがないからこそ飽きずに頑張れると回答。

さらに「言えば、自分が目指した山の頂があるとすれば、やっとその入口にたどり着いたくらい。『HUNTER×HUNTER』の暗黒大陸に全然たどり着けないくらいのところです(笑)」と例えて説明した。
「リリィ・シュシュのすべて」のTシャツを着た黒木華がVTRで出演
「リリィ・シュシュのすべて」のTシャツを着た黒木華がVTRで出演 / 撮影:田中隆信


■ 黒木華「10年後、岩井さんはどんな作品を作っていると思いますか?」

主人公・皆川七海を演じた黒木華もVTRで登場。「10年もこの映画のことを忘れないでいてくださった皆さまにも感謝したいと思います」と呼びかけ、「これ、見えますでしょうか?」と、岩井監督が手がけた「リリィ・シュシュのすべて」のTシャツを着ているのを見せた。

そして、「私が本当に大好きな映画を撮った岩井監督に、まさか自分が主演で映画を撮ってもらえるなんて、自分にとっては奇跡というか、ありがたいなと、今思い返してもすごく思います。すごく幸せな映画体験をさせていただいたなと振り返っても思います」と思いを語り、「10年後、岩井さんはどんな作品を作っていると思いますか?」と質問した。

岩井監督はたっぷりと考えた後、「10年後と言われて、今、スーッと頭の中に浮かんできた自分は、砂漠で8mmフィルムを回してましたね。あれは何と撮ってんだろう?きっと日本じゃないどこかで、思いがけない何かを撮ってたらいいなという気持ちはありますね」と笑顔で答えた。

全ての質問に答えた後、「自分の作品の中でも、こんな感じで皆さんと毎年誕生日を祝ってる不思議な映画は『リップヴァンウィンクルの花嫁』しかないので、これからも企画を考えて、ここまできたら『いつまでもやろう』と構えてますので、続けていこうと思っています。ぜひこれからもこの映画をぜひご愛顧いただければと思います」というメッセージを届けて締めくくった。

8月22日(土)に「リップヴァンウィンクルの花嫁」<4Kアップグレード版>、今回開催された劇場イベントを収録した「特別番組『リップヴァンウィンクルの花嫁』10th Anniversary(仮)」を日本映画専門チャンネルにて放送予定。詳細は7月1日(水)にチャンネル公式HPにて発表。

◆取材・文=田中隆信
「リップヴァンウィンクルの花嫁」10th Anniversary Special Screening 舞台あいさつより
「リップヴァンウィンクルの花嫁」10th Anniversary Special Screening 舞台あいさつより / 撮影:田中隆信

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