モロッコ代表の18歳MFアユブ・ブアディ(リール)が衝撃のワールドカップデビューを果たした。現地6月13日に行なわれたグループステージ初戦のブラジル戦にフル出場。サッカー王国を相手に抜群のパフォーマンスを披露した。
2026年5月26日にモロッコ代表デビューを果たし、W杯ブラジル戦が4キャップ目。そんな18歳にどんどんボールが集まり、ビルドアップの起点として奮闘した。リズムよくパスを回し、前方にスペースがあればドリブルで前進。セントラルMFとして両チームトップの11.68キロを走り切り、守備面でも相手アタッカーの突破を、体を張って止めて見せた。
UAEの『Al-Bayan』紙はブアディについて、「モロッコ対ブラジル戦で主役の座を奪い、モロッコおよびアラブ地域サッカー界の新星として注目を集めた。試合の大部分でモロッコの中盤の優位性を支えた要因となり、カゼミーロ、ブルーノ・ギマンランイス、ルーカス・パケタといった名選手にも引けを取らなかった。デュエル、ボール奪取、試合のペースコントロールといった部分で、相手チームを凌駕した」と報じた。
2007年10月生まれの18歳。パリ北部のオワーズ県で育ち、14歳でリールの下部組織に入団した。プロ契約をかわした16歳でトップチームにデビューし、U-16からU-21までのフランス代表としてもプレーした。フランス代表の将来の希望と目されていたなか、26年5月15日にモロッコへの代表国籍変更を公表し、W杯メンバーに選ばれた。
フランス紙『Le Parisien』はブラジル対モロッコの試合を報じた記事内で、ブアディに言及。「試合を通じて冷静さを保った。効果的なボール奪取を見せ、攻撃の起点もなり、ブラジル相手でもパニックになることはなかった。フランス代表ではなくモロッコ代表を選んで1か月。18歳ながら、すでに代表チームの主軸の地位を確立している」と伝えた。
また、フランス紙『L'Équipe』によると、次期フランス代表監督就任が有力と見られているジネディーヌ・ジダンが、ワールドカップ後のフランス代表入りをブアディに打診。モロッコへの代表国籍変更を思いとどまるよう説得したというが、最終的にブアディはモロッコ代表を選択したという。
ブアディの推定市場価格は16歳時点の500万ユーロ(約9.1億円)から、わずか2年半で10倍の5000万ユーロ(約91億円)まで高騰。リールとは29年6月まで契約を結んでいるものの、パリ・サンジェルマンやアーセナルなど、世界的ビッグクラブが今夏の移籍市場での獲得を狙っているという。それに対してリールは、推定市場価格に2000万ユーロを加えた7000万ユーロ(約128億円)であれば売却に応じると『Sky sport』は報じている。
新シーズンにリールを率いる監督は、モロッコと対戦したブラジル代表監督カルロ・アンチェロッティの息子、ダビデ・アンチェロッティ。ちなみにモロッコ対ブラジルの一戦を、“説得に失敗した”ジダンもスタジアムで観戦していた。
もしリールが7000万ユーロで売却した場合、フランスメディア『Top Mercato』によるとクラブ歴代3位の金額になるという。現時点の売却額1位は二コラ・ペペの8000万ユーロ(アーセナルに移籍)、2位はヴィクター・オシメーンの7890ユーロ(ナポリに移籍)だ。
大会前から移籍市場の注目株だったブアディは、W杯でさらに活躍して自身の価値を高めるか。モロッコの神童に注目だ。
構成●THE DIGEST編集部
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