
「今大会で一番良い試合」「前田の起用は良くなかった」海外精鋭記者が見た森保J初戦。オランダは「日本の弱点」を突き――【W杯】
[北中米W杯・F組1節]日本 2-2 オランダ/6月15日/ダラス・スタジアム(アメリカ)
難敵オランダに点を取られても取り返す――。50分にフィルジル・ファン・ダイク、64分にクリセンシオ・サマービルに被弾した日本だが、粘り強く戦い続け、57分に中村敬斗が強烈なシュートで、88分に鎌田大地が小川航基のお膳立てでそれぞれ同点ゴール。2-2に持ち込み、価値ある勝点1を掴んだ。
「最後の同点ゴールは感動したね」
壮絶なオランダ戦の約1時間後。ブラジル人ジャーナリストのチアゴ・ボンテンポ氏は、興奮気味にそう口にした。
日本サッカーを熟知する精鋭記者は、森保ジャパンの初戦をどう見たのか。じっくりと話を訊いた。
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――今日の試合は全体を通してどう感じましたか?
「今大会で内容的に一番良い試合だったと思う。両チームの質を考えたら一番良かった。チームのクオリティだね。前半は少しスローペースだったけど、両チームが相手をリスペクトしていて、戦術的にはとても面白かった。
後半、日本が2度ビハインドになったけど、強豪チームと競える実力を示した。最近、イングランドやブラジルを倒したけど、親善試合だった。公式戦でこのような相手と戦うのは久しぶりだったなかで、難しい状況で2度追いつけたのはとても良かったと思う。
特に森保の交代カードの使い方は効果的だった。前田大然の先発はあまり効いていない部分に気付いて、伊東純也、小川航基、菅原由勢、そして冨安健洋が入ってからチームが良くなった。最終的な2-2というスコアはとても良かったと思う」
――この試合のマン・オブ・ザ・マッチを挙げるとしたら?
「個人的にはオランダのファン・ダイクだと思うけど、日本から選ぶなら中村敬斗と小川航基だ。小川の見せ場は最後の得点シーンだけとはいえ、非常に価値のあるプレーだったので高く評価したい。また、谷口彰悟もとても良い守備をしていたし、鈴木彩艶も3回のビッグセーブでチームを助けた。途中出場した伊東純也もたくさんの良いプレーで活躍した」
――日本の良さが出たという見方もあれば、オランダがあまり良くなかったという見方もあります。クーマン監督が率いるオランダのプレーをどう見ましたか?
「オランダは最初から積極的に攻撃していたが、日本の守備がスペースを与えなかったので、ほとんどウイングから攻撃していた。特に左サイドのガクポを使っていたね。
日本の弱点と見られていたのかもしれない。日本のウイングバックである堂安律と中村敬斗は元々ディフェンダーではないので、オランダはそこを狙って攻撃し、チャンスのほとんどがウイングからの攻撃だった。2点目も中村がサマービルをマークしていた。
森保が3バックシステムを導入した当初から指摘していたが、ディフェンダーではない選手をウイングバックで使うと、守備の時に難しくなることがある。今日はまさにそのような場面があった。ただ、堂安と中村はそんなに悪くなく、よく守備で頑張っていたが、課題も見えた。
左のガクポと右のサマービルが良い得点のチャンスを作った一方で、オランダは中央がいまひとつだったね。センターフォワードのマレンはヘディングシュートが2回あったが、ビルドアップではあまりスペースがなく、途中から入ったメンフィス・デパイもあまり機能しなかった。特に谷口が守備のリーダーとして良くできていたと思う。ボランチの佐野海舟と鎌田大地も良い役割を果たしていた」
――試合前の予想ではあまり挙がっていなかった、前田選手の先発起用についてはどう評価していますか?
「今日の前田の起用はあまり良くなかったと思う。スタメンを見た時は、相手がオランダで日本がボールを持てない時間が長くなるから、彼のプレッシングが大事になると考えた。しかし、実際にはプレッシングでもそんなに目立たず、ミスが目立った。33分には、ボールを奪った鎌田とぶつかってしまい、オランダにコーナーキックを与えてしまう場面もあった」
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次のチュニジア戦は日本時間21日に行なわれる。中5日で可能な限り疲れを取ると同時に、オランダ戦で見つかった課題を改善し、勝点を4に伸ばせるか。
取材・文●有園僚真(サッカーダイジェストWeb編集部)
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