
オランダサポーター恐るべし。二階建てバスに搭載されたスピーカーから流れる音楽に合わせ、歌あり、踊りありの大盛り上がり【W杯戦記】
日本にとっては重要なワールドカップ初戦、オランダとの試合当日のことだ。
会場周辺の混雑を見越して少し早めに、具体的に言えば、キックオフの4時間前にダラス・スタジアムに到着すると、あたりは日本サポーターばかりが目についた。
日本ではアメリカの物価高を伝えるニュースが数多く報じられ、現地観戦に二の足を踏むサポーターも多いと聞いていたが、これならオランダサポーターを数の上で圧倒するのではないか。
そんなことを考えながら、周辺を散策していると、少し離れたところから賑やかな音楽や歓声が聞こえてきた。
音が聞こえる方向へ進んでいくと、そこにはオレンジ色の大集団。ワールドカップやユーロで恒例の、二階建てバスに先導された大パレードが行なわれていたのだ。
バレードルートは、チョクトースタジアム(MLBテキサス・レンジャーズの旧ホームスタジアム)から、ダラス・スタジアムまでの1.5キロほどの短い距離ではあったが、そのために車両通行止めとなった道路は、人、人、人の波で埋め尽くされていた。
そのほとんどは、オレンジ色に身を包んだサポーターではあった。しかし、楽しげな雰囲気は次第に周囲を巻き込み、アメリカ、メキシコ、エクアドルなどなど、他国のサポーターも飛び入り参加。それどころか、対戦相手である日本のユニホーム姿も少なくなかった。
地元テレビの報道によれば、二階建てバスはオランダから船で運ばれてきたといい、おそらくこのために相当な手間もお金もかかっている。
パレードは、二階建てバスに搭載されたスピーカーから流れる音楽に合わせ、歌あり、踊りありの大盛り上がり。ヨーロッパでのユーロ開催時は、もっと大人数&長距離のパレードが行なわれることも珍しくないが、大西洋を越えたアメリカの地で、道路を封鎖してまでこれほど大規模なイベントを行なってしまうとは、オランダサポーター恐るべし、である。
これまでの取材経験を振り返ると、ワールドカップやユーロといったビッグイベントで、オランダサポーターが大会の盛り上げ役となることは多かった。その“活躍ぶり”はメディアでも話題となり、試合を重ねるごとに勢いを増していく。
過去の大会(たとえば、2008年ユーロ)で目にしたパレードに比べれば、むしろ今大会のそれはおとなしいものだったかもしれない。
とはいえ、今回のワールドカップはまだ始まったばかり。この様子がテレビやSNSで話題となれば、さらに多くの人を巻き込んでいくに違いない。
この日のパレードは、先頭の2階建てバスがダラス・スタジアムの目の前までやってくると、しばらくその場にとどまって盛り上がり、試合前の宴はいつ終わるともなく続いていたが、しばらくすると、スピーカーからアナウンスが聞こえてきた。
「バスはこの場を離れなければならなくなりました。バスは左に曲がりますが、チケットをお持ちのみなさんは、右へ進んでスタジアムへ向かってください」
そして、周囲をサポートしていた警察の誘導によってバスが動き出す直前、締めのアナウンスが流れた。
「See you next week in Houston!(来週ヒューストンで会いましょう)」
オランダサポーターの行進は、まだまだ続く。
取材・文●浅田真樹(スポーツライター)
【美女サポ画像】北中米W杯を華やかに彩る各国ファンを一挙公開!
【画像】メッシ、エムバペ、ネイマールも! 世界のスター選手はどんなポーズ? FIFA公式ポートレートの厳選ショットを一挙公開!
【記事】「今だったらもっと化け物に」──森保ジャパンでも共存可能? 中田英寿という“終わらない夢”
