
「違いを出せる選手はいっぱいいます」頼りになる“切り札”の存在。伊東純也が強調「短い時間でどれだけ結果を出せるかが大事」【W杯】
[W杯GS第1節]日本 2-2 オランダ/6月14日/ダラス・スタジアム
森保一監督体制8年間の集大成となる北中米ワールドカップで、史上最高成績を狙っている日本代表。その重要な一歩となったのが、現地6月14日にダラスで行なわれた初戦のオランダ戦だった。
序盤から相手にボールを握られる展開で、最終的なポゼッション率は54%対37%(中立9%)、シュート数10本対9本と内容的に上回られたものの、スコアは2-2のドロー。日本としては二度、リードを許しながら、中村敬斗(スタッド・ドゥ・ランス)と鎌田大地(クリスタル・パレス)が得点し、しぶとく勝点1をゲット。この先のチュニジア戦、スウェーデン戦に弾みをつけた。
森保監督は南野拓実(モナコ)や三笘薫(ブライトン)を欠いた左シャドーに、前田大然(セルティック)を起用。2022年カタールW杯の時のように、前田のスピードと守備力を活かして相手にプレッシャーをかけ、ビルドアップを寸断しようと試みた。
その成果もあって前半はスコアレスで乗り切ったが、50分にリスタートの流れからファン・ダイク(リバプール)に打点の高いヘッドを決められてしまう。
それでも、4年前のドイツ戦やスペイン戦、2025年10月のブラジル戦で強豪に逆転勝ちしたリバウンドメンタリティがこの日も発揮され、7分後に中村が同点弾を叩き出すことに成功する。
だが64分、サマービル(ウェストハム)のミドル弾で2失点目。二度のビハインドを背負えば、どれだけタフな集団でも、心が折れてもおかしくないが――。
「失点しても、中のメンバー11人で『やり方をまだ変えなくていいんじゃないか』と話していましたし、ベンチが必ず何か動いてくれる、というところでの3枚替えのメッセージだったので、比較的、冷静に戦えていました」と、終盤にはキャプテンマークを巻いた谷口彰悟(シント=トロイデン)は振り返る。
先陣を切ったのは、66分に登場した伊東純也(ゲンク)だ。このスピードスターは右シャドーに入るや否か、縦への推進力を発揮。積極的に圧をかけていく。
75分には小川航基(NEC)、菅原由勢(ブレーメン)、冨安健洋(アヤックス)の3人が投入される。右ウイングバックの菅原と伊東の2人は好連係を見せ、攻撃面を一気に活性化させた。
そして88分、菅原の縦パスに抜け出した伊東がCKをゲット。伊東自身がキッカーを務めたそのCKに、小川が打点の高いヘッドで合わせる。これで生まれた同点弾は、シュートが当たった鎌田の得点と記録されたが、途中出場の選手たちが大仕事を果たしたのは確かだ。
カタール大会でも、いわゆる“ジョーカー”が活躍した。
「あの時は薫とか拓実、(堂安)律(フランクフルト)とかがベンチにいましたし、今よりパワーがあったかなと思いますけど、今も途中から出る選手で、違いを出せる選手はいっぱいいますし、“ベンチから出る選手が試合を決める”という意識で今日はやりました」
同点ゴールを演出した伊東が胸を張る。小川も菅原、冨安も奮闘し、最後に出てきた塩貝健人(ヴォルフスブルク)も、“何かをやってくれそう”な雰囲気を醸し出していた。
ここから先も、ジョーカーの働きがさらに重要になってくるだろう。
日本がオランダと引き分けた直後の試合で、同組で次戦の相手であるチュニジアは、スウェーデンに1-5の大敗。日本戦は背水の陣で挑んでくると目されるため、想像以上に厳しい戦いを強いられるかもしれない。
そうなった時、控えに回った面々が途中出場でギアを上げられるかどうか。
「途中から出る選手はやっぱり重要ですし、短い時間でどれだけ結果を出せるかが大事になってくるかなと思います」と伊東も強調する。躍進のカギは総合力。そのことを今一度、チーム全員が再認識し、チュニジア戦に向けて準備したい。
取材・文●元川悦子(フリーライター)
【美女サポ画像】北中米W杯を華やかに彩る各国ファンを一挙公開!
【画像】メッシ、エムバペ、ネイマールも! 世界のスター選手はどんなポーズ? FIFA公式ポートレートの厳選ショットを一挙公開!
【記事】「今だったらもっと化け物に」──森保ジャパンでも共存可能? 中田英寿という“終わらない夢”
