
「おっ、やった!」プレス席で思わず出た声…”ロストフの悲劇”でも冷静だった記者がなぜ、中村敬斗の一撃に震えたのか【W杯】
「おっ、やった!」
思わず、声が出た。
サッカー取材の現場に携わるようになってから、観戦中に一喜一憂することはほとんどなくなった。
ロシア・ワールドカップのコロンビア戦で大迫勇也が決勝弾を決めた時も、ベルギー戦で“ロストフの悲劇”を目の当たりにした時でさえ、冷静な自分がいた。
仕事である以上、プレス席で騒がない。それが良いか悪いかは別として、ファン・サポーターとは違う目線で日本代表戦をチェックするというスタンスを頑なに貫いてきた。
それが、あの瞬間だけは思わず声が出てしまった──。
2026年6月14日(日本時間15日)、日本代表は北中米ワールドカップのグループステージ初戦でオランダと対戦した。立ち上がりから押し込まれ、相手のセットプレーの脅威に晒される。
その光景を見て「この流れ、1点取られたらやばいな」と直感的に感じた。守りをベースに戦って失点を喫した時のダメージは大きい、そこからチームの重心を前に移し、反撃に転じるのは見た目以上に難しいと思っていたからだ。
そして50分、ファン・ダイクのヘッド弾で先行を許す。これは厳しい展開になると思いきや、その7分後、背番号13が大きな仕事をやってのける。
57分、エリア内左で久保建英のパスを受けた中村敬斗がカットインから右足一閃。豪快なシュートを突き刺した。日本のファン・サポーターが歓喜に沸き、プレス席もざわつくなか、自分も思わず「おっ、やった!」と声を出しつつ小さく拍手した。
カタール・ワールドカップ後、森保第2次体制下で台頭してきたひとりが中村だ。与えられたチャンスをコンスタントに結果へ繋げ、いつしか押しも押されもせぬ森保ジャパンの主力となった。
その彼がワールドカップという最高の舞台で日本に今大会初ゴールをもたらしたのだ。森保監督が言う「この4年間の積み重ね」を象徴する選手の一撃には、さすがに痺れた。
自分にもまだこうした感情が残っている。そのことを改めて気付かせてくれた中村敬斗の一撃は、間違いなくこのワールドカップ取材で忘れられない瞬間のひとつになった。
取材・文●白鳥和洋(サッカーダイジェストTV編集長)
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