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男性も女性も「女性の顔の方が魅力的」だと感じる

男性も女性も「女性の顔の方が魅力的」だと感じる

人間は性別に限らず、女性の顔の方が美しいと感じる / Credit:Canva

クジャクの羽、鳥たちのさえずり、鮮やかな体色をもつ魚たち。

動物界では、オスのほうが派手な見た目でメスにアピールする例が多く見られます。

ところが人間社会では、「美人」や「美女」という言葉が身近なように、見た目の美しさは男性よりも女性について語られやすい傾向があります。

ではこれは単なる文化的な思い込みなのでしょうか、それとも実際に人々は女性の顔を男性の顔より魅力的だと評価しているのでしょうか。

ドイツ、マックス・プランク経験美学研究所(MPIEA:Max Planck Institute for Empirical Aesthetics)などの研究チームは、76カ国・約150万件の顔評価データを分析し、この疑問を大規模に検証しました。

研究成果は、2026年5月27日に『Proceedings of the Royal Society B』で公開されました。

目次

  • 「女性の顔」は「男性の顔」よりも魅力的だと評価される
  • 女性もまた女性の顔を高く評価していた

「女性の顔」は「男性の顔」よりも魅力的だと評価される

動物界では、多くの場合、オスが派手な姿や求愛行動を発達させます。

これは、メスに選ばれるためにオス同士が競争するという性選択の考え方で説明されてきました。

一方で人間では、歴史的にも文化的にも、女性の外見的な美しさが強く語られてきました。

ただし、こうした感覚が本当に顔の魅力度評価に表れているのかは、これまで大規模には検証されていませんでした。

そこで研究チームは、過去に発表された顔魅力度研究のデータを集め直しました。

対象となったのは52件の研究で、76カ国の約2万8500人の評価者、約1万7000枚の顔写真、合計約150万件の評価が含まれています。

顔写真は、実在する人物の正面顔で、自然または中立的な表情のものに限定されました。

強い感情表現、マスク、顔の覆い、デジタル加工などがある写真は除外されています。

また、元の研究ごとに評価尺度が違うため、研究チームはスコアを共通の基準に変換し、まとめて比較できるようにしました。

その結果、顔写真だけを見て評価した場合、女性の顔は男性の顔よりも、平均して高く魅力的だと評価されていました。

もちろんこれは、「すべての女性の顔がすべての男性の顔より魅力的」という意味ではありません。

あくまで多数の顔写真と評価を平均したとき、女性の顔の評価分布が男性の顔より高い方向へずれていた、という結果です。

そしてより詳細な結果を見ると、この差が単に「男性が女性を高く評価した」という話ではないことが分かります。

女性もまた女性の顔を高く評価していた

今回の研究で特に興味深いのは、女性の顔を高く評価していたのが男性だけではなかった点です。

男性評価者は、男性の顔より女性の顔を高く評価しました。

これは異性愛的な視覚的魅力という説明と結びつけやすい結果です。

ところが女性評価者も、男性の顔より女性の顔を高く評価していました。

しかもその差は男性評価者より大きく、女性が同性の顔を特に高く評価していることが分かりました。

一方で、男性の顔は、男性からも女性からも比較的低い評価を受ける傾向がありました。

この結果は、顔の魅力度評価が単純な異性への性的魅力だけでは説明できないことを示しています。

研究チームはさらに、顔の形そのものがこの差に関係しているのかも調べました。

そこで注目されたのが、顔の形がどれくらい女性的または男性的かを分析したものです。

分析の結果、この顔の構造的な男女差は、男女間の魅力度評価の差の一部を説明していました。

具体的には、女性評価者では差の約3分の1、男性評価者では5分の2強が、顔の形の違いによって説明されると推定されています。

つまり、女性の顔が高く評価される背景には、顔の構造的特徴がある程度関わっている可能性があります。

ただし、それだけで差が完全に消えたわけではありません。

顔の形を統計的に考慮しても、女性の顔が高く評価される傾向は残りました。

研究チームは、その残りの差について、文化や社会的な要因が関係している可能性を指摘しています。

多くの社会では、女性の外見的な美しさが広告やメディアの中で強調されやすく、人々が「美しさ」と「女性らしさ」を結びつけやすくなっているのかもしれません。

また女性評価者が女性の顔を高く評価したことについては、女性の外見が重視されやすい社会的な空気や、そうした圧力を女性同士が共有していることが背景にある可能性も考えられます。

なお、このギャップは他人の顔を評価したときに見られたもので、自分自身の魅力度を評価した場合には同じ差は確認されませんでした。

さらに、差の大きさは条件によって変わり、黒人の顔や高齢者の顔ではギャップがかなり小さくなる傾向もありました。

この研究には限界もあります。

調べられたのは、あくまで顔写真を見たときの魅力度評価です。

実際の恋愛感情、交際相手の選択、性格、声、体型、社会的地位、知性といった要素は含まれていません。

そのため、この結果だけで「女性は本質的に男性より美しい」と結論づけることはできません。

今回示されたのは、男性も女性も、女性の顔を高く評価する傾向があるということです。

そしてその背景には顔の形や特徴だけでなく、文化や社会的な価値観も関わっているのかもしれません。

参考文献

Both Men and Women Rate Women’s Faces as More Attractive Than Men’s
https://www.zmescience.com/science/psychology-science/both-men-and-women-rate-womens-faces-as-more-attractive-than-mens/

元論文

The gender attractiveness gap
https://doi.org/10.1098/rspb.2026.0362

ライター

矢黒尚人: ロボットやドローンといった未来技術に強い関心あり。材料工学の観点から新しい可能性を探ることが好きです。趣味は筋トレで、日々のトレーニングを通じて心身のバランスを整えています。

編集者

ナゾロジー 編集部

配信元: ナゾロジー

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