日本代表の北中米ワールドカップがスタート。現地時間6月14日に行なわれたグループリーグ初戦のオランダ戦は、2度のリードを許したものの、57分に中村敬斗の絶妙な右足シュート、終了間際の89分には小川航基のヘッド弾が鎌田大地の頭に当たって軌道を変えるという形で、それぞれ同点ゴールが決まり、強敵相手に勝点1を獲得している。
試合後、森保一監督は「勝点1に終わったことには少し悔しさもあるが、全員の力で結果を得られた。守備では辛抱強く対応し、その後はより積極的に前へ出ていこうとした。選手たちは、我々が計画し、準備してきたことをしっかり実行してくれた」と語り、中盤で存在感を示し、決定的な仕事も果たした鎌田は「前回大会では第2戦(コスタリカ戦)が悔しい結果(0-1の敗北)になったので、今回は次の試合(チュニジア戦)で勝点3を取り、突破を決めたい」と次戦の意気込みを明かした。
FIFA(国際サッカー連盟)の公式サイトは、この一戦を伝える中で「『サムライブルー』は最後まで諦めず、その粘り強さによって報われた。オランダが64分にクリセンシオ・サマービルが勝ち越しゴールを決め、グループFの首位候補として一歩抜け出すかに見えたが、日本はその精神力の強さを示し、勝点1をもぎ取ってみせた」と、日本について賛辞をまじえて言及している。
各国メディアの見解もポジティブなもので、オランダの日刊紙『De Telegraaf』は土壇場で勝点3を逃した自国代表チームのプレー、ロナルド・クーマン監督の采配(交代策)を酷評する記事の中で、「(2度目のリードを許した後)勝点1をもぎ取るために選手交代を行なったアジアの強豪は終盤に猛攻を仕掛け、これによってオランダは理解し難いほど、自陣深くまで押し込まれた」と振り返った。
同国の公共放送「NOS」は、「日本は独自のゲームプランを用意。それは主に、オランダにボールを持たせながら、MFフレンキー・デ・ヨングを封じ込めることだった。こうして、試合はまるでチェスのような駆け引きとなり、オランダがボール支配率では上回ったものの、プレーのテンポが遅く、日本を本当に脅かすまでには至らなかった」と綴り、勝点2を失ったことについては「日本の終盤の猛攻を抑え込むために選手交代がなされたが、オランダは必要以上に早く自陣へ下がってしまった」と原因を指摘している。
英国では、日刊紙『The Guardian』がこの一戦を「予想外のドラマ」と表現し、「近年、日本はW杯で非常に優れた戦いを見せるチームとなっている。試合後、森保監督が、『非常に価値のある勝点1』と表現しながらも、その表情には明らかな悔しさが滲んでいたことは印象的だった」とレポートを記した。
スポーツ専門チャンネル『Sky Sports』は、「日本が2度も追いついたのは見事だった。サマービルは自らのゴールで試合を決めたと思っただろう。しかし最後の15分間、オランダはあまりにも守備的な戦い方を選んだ。そのため日本にプレッシャーをかけることができ、鎌田の同点ゴールに繋がった」と、両チームを評している。
一方、英国放送協会「BBC」は、「日本は今大会のダークホースのひとつと見なされている。3月のイングランドとの親善試合での勝利などを通じ、FIFAランキング18位まで上昇したことで、その実力を証明してきた。そしてグループFのこの見応えある開幕戦でも、彼らは大会で大きな役割を果たし得ることを示す、全ての資質を見せた。(中略)選手たちは勝点1を獲得するために、回復力、粘り強さ、そして尽きることのない闘志を示した。その勝点は、今後極めて重要な意味を持つものになるかもしれない」と、日本を称賛した。
フランスの日刊紙『Le Monde』は、「それぞれ勝点1を手にダラスを後にしたが、日本が素晴らしい闘志を見せたのに対し、オランダは守備のミスを悔やむことになるだろう」と両チームの好対照ぶりを強調。また「オランダに優位に立たれても諦めなかった」(同メディア)日本の戦いぶりを「勇敢」とも形容している。
イタリアでは、スポーツ紙『Gazzetta dello Sport』が「日本の強い精神力が、オランダ人たちから歓喜を奪った。引き分けは妥当な結果だった。なぜなら、日本のサムライたちは、オレンジ軍団の2度のリードに対し、2度とも反撃で応えたからだ。(中略)彼らは試合の途中から戦い方を変え、プレッシャーを強めた。そしてクーマン監督の慎重な采配を利用しながらゴールへ近づき、W杯初戦での引き分けを祝ったのである」とポジティブに評し、試合そのものに対しても「素晴らしかった」と賛辞を贈った。
そしてスポーツ専門チャンネル『ESPN』は、「オランダ相手に引き分けに持ち込んだ日本の粘り強さは、このチームが大会終盤へ進出し得る数少ないダークホースのひとつであることを改めて示した。主力選手を数多く欠きながらも、サムライブルーは2度も追いつき、今後極めて重要になるかもしれない勝点1を手にした」「両チームは勝点を分け合ったが、最後に笑ったのは日本だった」と報じている。
さらに、「森保監督が予選を通じて成果を上げてきた攻撃的な哲学を、格上相手にも貫いたことは評価されるべきだろう」と主張する同メディアだが、守備面について堂安律がコディ・ガクポに難度も突破を許した点を問題視。彼にとってウィングバックが「本来の役割ではない」と擁護した上で、「森保監督は、より良いバランスを見つける必要があるのかもしれない」と指摘した。
構成●THE DIGEST編集部
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