立憲民主党の古賀千景参院議員から、トンデモ差別発言が飛び出した。6月15日の参院決算委員会で「自衛隊に行くのは貧困層の子供たち」との持論を展開して即座に撤回。古賀氏はかつて福岡県内の小中学校で教壇に立ち、日教組の特別中央執行委員の経験もある。
「私も教えた子が自衛隊にいっぱいいる。いっぱい苦しんでいる。分かってほしいのは、自衛隊に行く子供たちは、経済的に厳しい子供たちが行く。豊かな子供たちは自衛官にならない」
そう訴えたのだが、このような差別的思想を持って子供に接してきたこと自体が大問題だろう。
これに小泉進次郎防衛相が憤慨し、真っ向反論したのは当然のことだった。
自衛隊には学歴に関係なく、様々なバックグラウンドの人材が入隊してくる。古賀氏が教えた生徒がたまたま裕福な家庭の子供ではなく、それぞれの理由があって自衛隊に入った、ということはあるかもしれない。
一方で自衛隊は、入隊あるいは防衛大学校や防衛医科大学に入学すると毎月、月給にあたる手当が支給される、という側面を持つ。この手当が貧困家庭にとって魅力的なのは事実で、特に防衛医科大学は貧しい家庭の子供でも学費の心配がなく、9年間の任官義務を終えれば医師として独立できる。
古賀氏の「豊かな子供は自衛官にならない」発言が正しいならば、防衛医大こそ経済的に困窮していても医師になりたい子供が多いことになるが…。
そこで、2026年度の防衛医大合格者の高校上位ランキングを調査してみた。
1位 洛南高等学校(15名)
1位 智辯学園和歌山高等学校(15名)
3位 桜蔭高等学校(13名)
3位 愛光高等学校(13名)
5位 須磨学園高等学校(12名)
6位 開成高等学校(11名)
6位 灘高等学校(11名)
8位 海城高等学校(10名)
8位 白陵高等学校(10名)
10位 久留米大学附設高等学校(9名)
10位 北嶺高等学校(9名)
10位 渋谷教育学園幕張高等学校(9名)
13位 麻布高等学校(8名)
13位 駒場東邦高等学校(8名)
13位 豊島岡女子学園高等学校(8名)
13位 西大和学園高等学校(8名)
17位 熊本高等学校(7名)
17位 東大寺学園高等学校(7名)
17位 広島大学附属高等学校(7名)
17位 青雲高等学校(7名)
大学を経由して自衛隊に入るルートは一部のものだとはいえ、これを見る限り、貧しい子供どころか熊本高校、広島大附を除けば私立進学校がほとんどを占めている。防衛医大生には金持ちが多い、というのは医学生の間では周知の事実。医学部や薬学部の学生のスポーツの祭典、東日本医科学生総合体育大会では防衛医大の学生たちの駐車スペースだけ、高級外車の見本市のようだ。
過酷な訓練に耐える女子学生の10倍のカネを受け取る「差別発言者」
古賀氏は九州出身だが、ランキングには九州御三家の久留米大附、青雲高校がランクイン。御三家の一角、ラ・サール高校は生徒の30~40%が医学部志望なのに対し、防衛医大合格者がわずか1名なのは卒業生のラサール石井議員と同様、政治思想に偏りがあるからだろうか…。
防衛医科大学では、1985年に日本空港123便墜落事故で御巣鷹山への救援が遅れたのを教訓に、医学生がヘリコプターから降下、パラシュート降下、三浦半島遠泳など過酷な訓練を行っている。智辯和歌山や桜蔭、渋幕、豊島岡の女子高生が覚悟を持って医官を目指しているのも驚きだ。
災害で負傷した国民のために過酷な訓練に耐える防衛医大女子学生の手当(月給)は月13万円。高尚な志をもった女子学生たちに差別発言を浴びせた古賀議員の歳費(月給)は約10倍の129万円。こんな人物にはボーナス約319万円が支給される6月30日までに、辞職していただこう。
(那須優子/医療ジャーナリスト)

