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就寝前の「自慰行為」は寝つきを早め、睡眠の質が高まりやすくなる

就寝前の「自慰行為」は寝つきを早め、睡眠の質が高まりやすくなる

Credit:Generated by OpenAI’s DALL·E,ナゾロジー編集部

就寝前に、性的なリラックス感を得ると、睡眠の質が高まるかもしれません。

豪セントラル・クイーンズランド大学(CQU)はこのほど、就寝前の「セルフプレジャー(※のちに説明します。マスターベーションより広い概念)」と睡眠、感情、夢の内容との関係を調査。

その結果、就寝前にセルフプレジャーを行った夜は、行わなかった夜に比べて、主観的な睡眠の質が高く、寝つきも早いと報告されました。

さらに、こうした習慣を持つ人ほど、性的・エロティックな夢を見やすくなる傾向も見られたのです。

研究成果は2026年4月1日付で学術誌『Sexuality & Culture』に掲載されています。

 

目次

  • 性的な喜びを得る「セルフプレジャー」とは?
  • なぜセルフプレジャーで寝つきが良くなるのか?

性的な喜びを得る「セルフプレジャー」とは?

今回の研究で重要なのは、研究者たちが「マスターベーション」ではなく、「セルフプレジャー(Self-pleasure)」という言葉を使っている点です。

一般には、両者は似た意味で使われることがあります。

しかし研究上は、マスターベーションは主に、オーガズムを目的とした性器への身体的刺激を指します。

一方、セルフプレジャーはそれより広い概念です。

性器への刺激ももちろん含みますが、それだけでなく、心の中で性的イメージを思い浮かべること、恋愛的・性的な読み物に触れること、視覚や聴覚の刺激を使うこと、あるいは性器以外の体に触れてリラックス感を得ることも含まれます。

つまり今回の研究は、「自慰行為でオーガズムに達したかどうか」だけを見たものではありません。

自分の体や感覚に意識を向け、安心感や心地よさを得る行為全体が、睡眠や感情とどう関係するのかを調べた研究なのです。

研究チームは、SNSなどを通じて成人参加者を募集し、最終的に301人の回答を分析しました。

参加者の年齢は18〜72歳で、平均年齢は約28歳でした。

調査では、セルフプレジャーの頻度や方法、就寝前に行うかどうか、睡眠の質、睡眠時間、眠りにつくまでの時間、夢の内容、さらに行為後や起床時の感情状態が尋ねられました。

その結果、参加者がよく用いる方法として多かったのは、自分の手で体に触れることや、頭の中で想像することでした。

そのほか、成人向け映像、音声コンテンツ、恋愛小説、補助具の使用なども報告されています。

研究で特に目を引くのは、寝つきに関する結果です。

参加者は、セルフプレジャーを行った夜には、行わなかった夜よりも早く眠りについたと報告しました。

中央値で見ると、セルフプレジャーを行った夜の入眠潜時は15分、行わなかった夜は25分でした。

平均的には、就寝前にセルフプレジャーを行った夜の方が、約9分早く眠りについたと推定されています。

また、睡眠の質についても、セルフプレジャーを行った夜の方が高く評価されていました。

睡眠時間もわずかに長く報告されましたが、その差は大きなものではありません。

そのため、「睡眠時間が劇的に増える」というより、「寝つきや主観的な睡眠の満足感と関連している」と見るのが正確です。

では、なぜこのような違いが生じるのでしょうか。

なぜセルフプレジャーで寝つきが良くなるのか?

研究者たちは、セルフプレジャーが単なる身体的な発散ではなく、感情や覚醒状態に影響する可能性に注目しました。

参加者の感情状態を調べると、セルフプレジャー直後にはポジティブな感情が大きく高まり、その効果は眠る直前や翌朝にも残っていました。

さらに、眠る直前には覚醒水準が低下していました。

これは、体や心が高ぶったままになるのではなく、むしろ休息へ向かう鎮静的な状態に移っていたことを示しています。

つまり、就寝前のセルフプレジャーは、人によっては気持ちを落ち着かせ、眠りに入りやすい状態を作るリラクゼーション習慣として働く可能性があります。

また研究では、セルフプレジャーの頻度と性的・エロティックな夢の頻度との間に、弱いながらも有意な正の相関が見つかりました。

特に、睡眠の直前に行う場合、その関連は少し強くなっていました。

これは、起きている間の体験や感情が夢に反映されやすいという「夢の連続性仮説」とも一致します。

ただし、この関係は強いものではありません。

参加者の多くは、エロティックな夢の頻度に大きな変化を感じていませんでした。

そのため、「就寝前に自慰行為をすれば性的な夢を見る」とまでは言えません。

今回の研究で言えるのは、就寝前のセルフプレジャーが、主観的な睡眠の質、寝つき、ポジティブな感情、そして夢の内容と、ゆるやかに結びついていたということです。

一方で、この研究には重要な限界もあります。

睡眠時間や寝つきは、睡眠計測機器ではなく、参加者本人の記憶と主観に基づいています。

また、ストレス、メンタルヘルス、恋愛関係、もともとの睡眠状態なども、今回の研究では十分に考慮されていません。

そのため、「自慰行為が睡眠を改善すると証明された」と断定するのは早計です。

それでもこの研究は、セルフプレジャーを恥ずかしいものや単なる性的行動としてではなく、心身を落ち着けるセルフケアの一部として捉え直す視点を示しています。

眠りとは、ただ目を閉じるだけでなく、心と体が安心して休息へ向かうプロセスです。

その入口に、自分自身の感覚とやさしく向き合う時間が関わっているのだとすれば、夜の習慣に対する見方も少し変わるかもしれません。

参考文献

Self-pleasure before bed is linked to falling asleep faster and sleeping better
https://www.psypost.org/self-pleasure-before-bed-is-linked-to-falling-asleep-faster/

元論文

Dreaming of Pleasure: Exploring the Relationship Between Self-Pleasure and Subsequent Dreams
https://doi.org/10.1007/s12119-026-10578-7

ライター

千野 真吾: 生物学に興味のあるWebライター。普段は読書をするのが趣味で、休みの日には野鳥や動物の写真を撮っています。

編集者

ナゾロジー 編集部

配信元: ナゾロジー

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