今年のNBAファイナル終了後のサンアントニオ・スパーズの行動が物議を呼んでいる。
今季のスパーズはヴィクター・ウェンバンヤマ、ステフォン・キャッスルら若手タレントが躍動し、2014年以来のファイナル出場を果たした。ただ、頂上決戦ではニューヨーク・ニックスにホームで連敗スタート。第3戦こそ敵地で勝利したものの、第4、5戦を続けて落とし、フランチャイズ6度目の優勝はならなかった。
第5戦終了後、ウェンバンヤマを筆頭とするスパーズの主力選手たちは、ニックスの選手を祝福することなくロッカーへ退いた。チームメイトと優勝を祝う前にスパーズのミッチ・ジョンソンHC(ヘッドコーチ)に挨拶へ行った、ニックスのジェイレン・ブランソンとは対照的だった。
この一件について、ゴールデンステイト・ウォリアーズのドレイモンド・グリーンは「本当に落胆した」、『ESPN』アナリストのアラン・ハーンは「情けない行為」と苦言を呈した。
しかし、スパーズの選手たちを擁護する声もある。
球団OBで2005、07年の優勝メンバーであるロバート・オリーは、6月15日に出演したポッドキャスト番組『Road Trippin' Show』で持論を展開した。
「(現代では)選手たちが握手をしないと、人々は怒る。でも2000年代に戻ってみてくれ。あの頃は誰も握手なんてしていない。私たちは気にしなかったんだ。『負けたんだから、お前らと話したくない』とね。『それはスポーツマンシップに欠ける』って人は言うけど、私はボコボコにされた瞬間は腹が立ってた。負かしたヤツらと友達になりたいなんて思わない」
現役時代に7度の優勝を経験した一方で、多くの敗北も味わったオリーは続ける。
「だからスポーツをやったこともないような連中が、『彼らは握手しなかった』と言って腹を立てるのが理解できない。負けたばかりなんだ。今は話したくない。試合後だってそうだ。ロッカールームでは怒って話すといけないから、話す前に少し時間を置くようにと言われる。だから、選手同士が握手する時、私はどっちでも構わない」
現代のNBAでは、試合後に握手や声かけをし、相手を称えることが定着している。
スポーツマンシップの観点から批判する声がある一方で、「私は握手しなかった。(勝てなかったことに)腹が立ったんだ。だからコートから出て行った」とオリーが語ったように、敗戦直後の選手たちに相手を称える余裕がなかったとしても不思議ではない。
文●秋山裕之(フリーライター)
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