日本にとっては成長ぶりを見せつけた試合となった。
オランダ国内ではロナルド・クーマン監督の交代策に批判が集中している。日刊紙『De Telegraaf』は「クーマンの自滅的な交代策がオランダ代表を沈める」と題した分析記事を掲載。チーフ記者のバレンティン・ドリーセン氏は「2-1とした後、10分の間にマレン、サマーフィル、ガクポの前線3人を立て続けに下げてピッチからスピードを奪った。コープマイネルスを右ウイングとして投入して守備を強化し、さらにナタン・アケを送り出して5バックに転換。リードを守ることにすべてを賭けた。89分に生まれた日本の同点ゴール(2-2)が、ディフレクションによって生まれたのは問題ではない。オランダ代表は指揮官の交代策によって日本にプレッシャーを掛けやすい状況を招き、それによってすべての問題を自業自得で引き起こしたのだ」と記している。
後半開始直後のファン・ダイクのゴールを契機に試合が動き出すと、日本は二度にわたり追いつくしぶとさを見せた。米メディア『The Athletic』は「現時点で今回のワールドカップにおけるベストゲームだった。スタイルの衝突がそれに貢献した。多くの意味で、日本代表のアプローチは、クーマン監督率いるチームのそれよりも、かつてオランダが誇ったあの有名な“トータルフットボール”に近い。両チームはボール保持時と非保持時の両局面において同等の能力を発揮し、試合を通じて主導権を交互に入れ替えた」と分析する。
『The Athletic』の日本の分析は、さらに具体的な戦術面にも及んでいる。
「ワタル・エンドウ、カオル・ミトマ、タクミ・ミナミノの負傷離脱が、カウンターの威力を削いだのは事実だが、組織的な構造は健在だ。3-4-2-1を掲げるモリヤス監督のチームは、コンパクトな4-3-3(または4-4-2)で守備を行なった後、ボールを奪い返し、スピードに乗ったカウンターで相手ゴールに迫る。ウイングバックのケイト・ナカムラとリツ・ドウアンは攻撃時に前線へと押し上げ、トランジションの局面を5対4の数的優位へと変える。日本の1-1の同点ゴールは、ペナルティーエリア左に進入したタケフサ・クボがマイナスのパスを送り、ナカムラがゴール左下隅を射抜いたことで生まれた」
日本は持ち味のハイプレスを自重し、成熟した対応と粘り強さを発揮して、欧州の強豪から貴重な勝点1を獲得した。『The Athletic』は次のような結論を導き出している。
「日本を軽視するのは間違いだ。このチームには、最終的に多くの人々を驚かせることになるだろう組織力と信念がある」
文●下村正幸
【動画】“生ける伝説”メッシの圧巻ハットトリック!【画像】絢爛豪華! メッシ、フェルスタッペン、ジョコビッチ、カリー、スキーンズ…世界TOPアスリートの“妻&パートナー”特集!
【画像】ロナウド、カーン、ベッカム、カンナバーロ、イニエスタ、モドリッチ、C・ロナウド、エムバペ、メッシ――サッカーW杯、歴代スター選手特集Part.2(2002年大会以降)

