現在、男子テニスツアーの芝シーズンで存在感を放っているのが、日本国内でキャリアを積み、大学テニスの名門早稲田大学から巣立った28歳の島袋将(現世界ランキング97位)だ。
先週開催されたツアー公式戦「ボス・オープン」(ドイツ・シュツットガルト/ATP250)では予選2試合を勝ち抜いて本戦入りし、1回戦でカンタン・ハリス(フランス/現94位)に快勝。2回戦では2022年のウインブルドンで初の四大大会シングルス決勝進出を経験した元13位のニック・キリオス(オーストラリア/同899位)に4-6、7-6 (5)、6-4で逆転勝ちし、自身初のツアーベスト8進出を果たした。さらに大会後のランキングでは104位から97位へ浮上し、悲願だった初のトップ100入りも達成した。
今週は「テラ・ウォルトマン・オープン」(6月15日~21日/ドイツ・ハーレ/ATP500)にスペシャル・イグザンプト(前週大会で勝ち残って予選に出場できない選手に与えられる特別出場枠)で本戦イン。1回戦では芝で2つのタイトルを持つ格上のタロン・フリークスポール(オランダ/元21位/現40位)に6-4、3-6、6-4のフルセットで勝利したが、現地17日の2回戦ではフランシス・ティアフォー(アメリカ/元10位/現26位)に4-6、5-7で敗れ、2週連続のツアー8強入りはならなかった。
それでも今大会の結果、島袋はさらなるランクアップを遂げる見込み。もっとも彼にとっては、ハーレに出場したことだけでも大きな意義があった。少年の頃から憧れていた巨星、ロジャー・フェデラー(スイス/元1位)が歴代最多10度の優勝を誇る舞台でプレーできたからだ。島袋は大会期間中にATP(男子プロテニス協会)公式サイトのインタビューに応じ、次のように語っている。
「彼(フェデラー)がここでプレーしていたことを考えると、とても興奮します。彼のレベルに到達できるよう、これからも努力を続けたいです。観客やファンの皆さんがワクワクするようなプレーをしたいと思っています」
現在日本勢男子で最高位の選手である島袋。その視線は、日本テニス界を長年けん引してきた錦織圭(36歳/元4位/現713位)にも向く。今季限りで現役引退する自身の「ヒーロー」への敬意をこう口にした。「彼の素晴らしいキャリアに少しでも近づけるよう頑張りたいです。トップ100に入れたことで、自分のテニスに対してより前向きな気持ちになれています」
そして、なかなか越えられなかった“100位の壁”をついに突破した喜びを明かすとともに、今後への意欲をのぞかせた。
「本当にうれしいです。自分だけでなく、チームや家族にとっても特別な瞬間でした。でもこれはゴールではなく、ただのスタートにすぎません。今後もこれまでと変わらず戦っていくだけです。トップ100に入ったからといって、気持ち自体は以前と変わりません」
1つの節目を迎えた28歳。日本で地道に積み重ねてきた努力を武器に、ここからさらなる高みを目指していく。
文●中村光佑
【動画】島袋がティアフォーに食い下がったハーレ大会2回戦ハイライト
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