そもそも燃焼室の大きな「サイドバルブ」では圧縮比を高めるにも限界があり、高性能化は難しかった。そこでハーレー社が1936年に採用したのが「OHV(オーバーヘッドバルブ)」のエンジンだ。これは、バルブをシリンダーヘッド上に配置することで燃焼室をコンパクトにできるため、圧縮比を高めることが可能な他、混合気を吸入し、爆発して排気する一連の流れがスムーズにできることがメリット。しかし、プッシュロッドを介する構造上、高回転化は難しかったが、1960年代に入ってOHCやDOHCエンジンを搭載した日本車の存在が目立ち始めると、さらなるパワーアップが求められ、辿り着いたのがOHVの大排気量化。結果、アメリカの広大な大地をダラーっと走ることが気持ちいいフィーリングが誕生したワケだ。
サイドバルブ
下から持ち上がるようにバルブが開くため、そのぶんのクリアランスが必要。そのため、燃焼室を小さくできず、圧縮比を高くできないが、部品点数が少ないので整備性は抜群。

オーバーヘッドバルブ(OHV)
シリンダーヘッド上部にバルブを備え、クランクと連動するカムの動きを、プッシュロッドでロッカーアームに伝えてバルブを開閉。エアフローに優れ、圧縮比も高くできる。

(出典/「CLUB HARLEY 2026年6月号」)