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チケットインフレでトラブルも。ダラスでの2試合は7万人前後の観客。もはや何が正解なのか...【W杯戦記】

チケットインフレでトラブルも。ダラスでの2試合は7万人前後の観客。もはや何が正解なのか...【W杯戦記】


 ワールドカップ開催中のダラスでは、スタジアムでの試合の他に誰もが入場可能なイベント、ファンフェスティバルが行なわれている。

 そこでは大型スクリーンで生中継の試合が見られるほか、多くの屋台が立ち並んでおり、メニュー豊富な飲食も可能。ワールドカップ記念のノベルティグッズがもらえる各スポンサーブースには、長蛇の列ができている。

 そんな人気イベントの会場となっているのは、フェアパークという広大な公園内の一角だ。すぐ隣には、コットンボウルスタジアムが建つという環境である。

 コットンボウルとは、1994年ワールドカップでダラスの試合会場となったスタジアム。当時はメインとバックの両スタンドにしか2階席がなかったが、現在ではゴール裏も含めて2階席がぐるりとピッチを取り囲んでおり、32年前とは少々印象が変わってしまった。

 それでも、準々決勝のブラジル対オランダで決勝ゴールを決めたベベットがゆりかごダンスを披露した、と聞けば、なつかしく思い出すファンも多いだろう。なかなか粋な場所をファンフェスティバルの会場にしたものである。

 32年前を振り返ると、ここでは正午キックオフの試合もあったのだから、今となっては信じがたい話だが、それだけ地球上の気温が上がったということである。ファンフェスティバルの会場でも、日陰は人気スポットだ。

 32年の歳月を経て、上がったのは気温だけではない。チケット価格の高騰もまた、今大会の大きな話題となっている。

 ダラスに来て以来、ホテルのスタッフやスーパーの店員などから「日本からサッカーを見に来たのか」と聞かれ、そうだと答えると、彼らは一様に「お前はリッチだな」と冷やかされる。
 
 もちろん、日本から来るとなればそれなりの渡航費もかかるが、彼らが「リッチ」だと思うのは、そんなことが理由ではなく、チケットがあまりに高額だからだ。

 ある時、ライドシェアのドライバーともその話になった。彼はアルゼンチンの試合が見たくて、チケット獲得にトライしてはみたものの、結局はあきらめたという。

 彼の予算は1枚100ドル。しかし、チケットサイトを調べると、価格は1枚500ドルとあって手が出せなかった。「今ではもっと上がっているよ」とは、彼の嘆きだ。

 32年前の大会はといえば、あくまでもチケットの額面で言えば、最安値が3ケタになる試合は決勝戦ぐらいのものだったのだから、もう違う世界の話のようだ。

 そうしたチケットインフレが顕著な状況にあっては、トラブルに巻き込まれる人も出てきてしまう。

 地元テレビの報道によると、ある男性はチケット再販サイトを利用して、日本対オランダのチケットを2枚、各600ドルほどで3月に購入した。ところが、試合前日にアプリで確認すると、そこにあったはずのチケットが消失。購入当時のメールをチェックしてみたところ、新たなチケットを買うためのサイトに誘導され、そこで売られていたのは1枚4000ドル以上もするチケットだったという。

 当該サイトについては、アメリカの消費者団体もファンに注意を促しているというが、被害に遭った男性は気の毒と言うしかない。結局、その男性には、サイト側から別の試合のチケットが用意されるか、全額返金されるかすることになったというから、せめてもの救いだっただろう。

 あまりに金儲け主義が露骨すぎ、世間からの批判も多いFIFAのチケット販売戦略。だが、これまでダラスで行なわれた2試合には、空席が目立つこともなく、いずれも7万人前後の観客がつめかけた。

 もはや何が正解なのか、分からなくなってしまう。

取材・文●浅田真樹(スポーツライター)

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配信元: SOCCER DIGEST Web

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