ニューヨーク・ニックスのジェイレン・ブランソンは加入4年目の今季、チームを53年ぶりの優勝に導き、自らもファイナルMVPに輝くキャリア最高のシーズンを過ごした。“ブランソン評”はうなぎ上りのなか、“キング”ことレブロン・ジェームズ(ロサンゼルス・レイカーズ)も賛辞を述べている。
名門ニックスの“完全復活”の歩みは、ブランソンの存在抜きには語れない。2022年夏にダラス・マーベリックスから加入すると、瞬く間に司令塔&エースの座を射止めた。
188cm・86kgと小柄ながら卓越した得点力と勝負強さを誇り、ニックス4年目の2025-26シーズンは74試合に出場して平均26.0点(リーグ10位)、6.8アシスト(同11位)をマーク。3年連続でオールスター&オールNBA2ndチーム入りを果たしたほか、プレーオフのイースタン・カンファレンス決勝でもMVPに輝く活躍を披露した。
球団として1998-99シーズン以来となったNBAファイナルでは、両チーム最多となるシリーズ平均32.6点を叩き出し、4勝1敗でサンアントニオ・スパーズを撃破。1973年以来53年ぶりの栄冠に導き、全11人の投票者から票を得て文句なしのファイナルMVPを獲得した。昨年12月のNBAカップ、今プレーオフのカンファレンス決勝MVPと合わせて、3冠達成は史上初となった。
名実ともにニューヨークの英雄となったブランソン。レブロンはスティーブ・ナッシュ(元フェニックス・サンズほか)と共同ホストを務めるポッドキャスト番組『Mind the Game』で、ナッシュから「チームを優勝に導いた“小さなガード”は誰がいるかな?本当に稀なケースだよね」と尋ねられると、「(元デトロイト・ピストンズの)アイザイア・トーマス以外には思いつかないな」と答えた。
「もちろん、惜しいところまで行った選手ならいる。(元フィラデルフィア・セブンティシクサーズほかの)アレン・アイバーソンがそうだった。2001年にチームをレイカーズとのファイナルまで連れて行ったよね。(ゴールデンステイト・ウォリアーズの)ステフ・カリー?彼は“小さなガード”というカテゴリーには入らないんじゃないかな。アイバーソンも純粋なポイントガードではなく、コンボガードだったと言えるけどね」
その上で、レブロンはブランソンのプレーの特徴について分析している。「彼は(ステップを踏む際に)両足を使ってプレーし、独特のテンポだから、守っている側としてはいつ来るかわからずタイミングが掴めないんだ。動きが予測できない。ドライブして、そこからひょいとボールを放り投げるような感じだ。シュートが来るとわかっていても、重心を崩された瞬間に打たれてしまう。そして彼はそれを何度も何度も決めるんだ」
また、左利きである点もブランソンの優位性を高めているポイントだという。
「このリーグの90~95%は右利きだ。だから、リーグにいるダイナミックな左利き選手に対しては、リズムを掴むのが非常に難しい。マヌ・ジノビリ(元スパーズ)、ジェームズ・ハーデン(クリーブランド・キャバリアーズ)、そして今のブランソン。
左利きの選手が向かってくる時の感覚は、全く別物なんだ。それが彼のアドバンテージになっていると思う。誰も指摘していないかもしれないし、俺の勘違いかもしれないが、当たっている気がする。あれだけダイナミックな選手が左利きだというのは、ディフェンダーにとってより大きな“頭痛の種”になる」
レブロンはミケル・ブリッジズやOG・アヌノビー、ジョシュ・ハートら「最高のピース」を揃えたことで、ブランソンが「完璧に自分らしくいられる環境を見事に作り上げている」とも言及。ニックスの53年ぶりの優勝は、エースの活躍とチーム力の勝利だと評価していた。
構成●ダンクシュート編集部
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