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《段差解消プレート問題》「置くなと言われても困る」「自費工事は高すぎる」…役所は規制するもホームセンターでも売られるプレート、そもそもなぜ道路には“段差”があるのか?

《段差解消プレート問題》「置くなと言われても困る」「自費工事は高すぎる」…役所は規制するもホームセンターでも売られるプレート、そもそもなぜ道路には“段差”があるのか?

近年、住宅前の道路などに設置された「段差解消プレート」の撤去を呼びかける自治体が増えている。道路上への設置は原則として認められておらず、段差をなくす場合は、原則として住民側が費用を負担して切り下げ工事を行なう必要がある。

 

しかし、こうしたルールは十分に知られているとは言い難く、「工事費が高額すぎる」「プレートがなければ車いすやベビーカーはどうすればいいのか」といった不満や疑問の声も上がっている。区議や自治体への取材を通して、その実態に迫る。

過去には死亡事故も…「段差解消プレート」が抱える悩ましい事情

「道路上に段差解消ブロックなどを設置しないでください」

自治体によるこうした呼びかけが増えている。

道路との段差を解消するため、自宅や駐車スペースの前に段差解消プレートや踏み石を設置する人は少なくない。しかし、道路法第43条では「道路に関する禁止行為」として、「みだりに道路に土石、竹木等の物件をたい積し、その他道路の構造又は交通に支障を及ぼす虞(おそれ)のある行為をすること」を禁じている。段差解消プレートなどを道路上に設置することも、この規定に抵触する可能性がある。

実際、過去にも原付バイクが段差解消プレートに乗り上げて転倒し、後続車にはねられて死亡する事故が発生している。

今年3月、世田谷区議会で段差解消プレート問題について質問に立った高橋昭彦区議のもとには、地域住民から切実な声が届いているという。

「僕が会長を務める町会で、地域の高齢者の方から生活上の困りごとに関していろいろなお話を聞きます。その中の一つに、段差解消プレートの問題があります」

高橋区議によれば、世田谷区は狭い道路も多く、段差解消プレートが置かれていると高齢者のカートなどがひっかかるため、「歩きづらい」という声が以前からあったという。

「調べると、本当にどの家も段差解消プレートを置いていますし、ホームセンターに行けば売られています。以前、近隣の神社から『段差を解消したいのだけど切り下げ工事はできないのか』と相談を受けましたが、工事費用が自己負担になることから実現が難しかったのです」

歩道の切り下げ工事を行なう場合は数十万円の費用が自己負担となるため、ハードルは高い。高橋区議はこうした状況について、住民側から見れば「選択肢がない状態になっているのでは」と指摘する。

「自己負担は高すぎるし、かといってプレートを置くのがだめだというのなら、住民はどうすればいいのか。世田谷区は『風景づくり条例』を制定していますが、現状は全く景観が良くありません。区としては『(設置者に)撤去するようにお願いするしかない』と言いますが、お願いしたとしても解決しないのではないかと思います」

「段差解消プレートがないと困る」という声も…

いっぽう、高橋区議のもとには、逆に「プレートがないと困る」という声も寄せられているという。

「家に入るときに段差があるから自転車やカートが入れづらいとか、段差解消プレートを置かないと困るといった声もあります」

現実的な解決方法として、切り下げの工事費用を少しでも補填する形しかないのではと高橋区議は話す。

「個人に任せるのではなくて、(段差解消プレートを)置かなくても済むように誘導するようなことを行政がやらなければならないと思います」

では、なぜ道路にはもともと段差が設けられているのだろうか。段差の役割について、国土交通省国土技術政策総合研究所の担当者はこう説明する。

「歩道と車道の段差については、降雨時に、車道側から歩道に雨水が流入することを防ぐ役割があります。

なお、歩道と車道の境界については、横断歩道に接続する部分などについては、車椅子使用者が困難なく通行でき、かつ、視覚障害者が境界部を白杖や足により容易に認知できるよう、高さ2cmを標準とした段差を設けることとしています。

あわせて、歩道と車道の境界のうち、車両が道路に隣接する民地等に出入りするための部分(歩行者が通行しない部分)については、5cmの段差を標準とし、横断歩道等と区別できるようにするなどしています」

ちなみに、車道の端の空間(路肩)にもさまざまな役割があるという。余裕幅として交通の安全性、快適性に寄与したり、自転車の通行部分あるいは歩道がない場合には歩行者の通行部分にもなるなど、道路に必要な空間とされている。

段差には様々な役割があることから、住宅前などに段差解消プレートを設置することについて、担当者は「歩行者、自転車、自動車等の通行の支障となったり、雨水等の適切な排水が妨げられたりする恐れがあります」と説明する。

確かに段差解消プレートは街のいたるところで見かける上に、ネット通販やホームセンターなどでも多く販売されているが、公道常設は原則NGだ。その多くは公道での使用を控えるよう呼び掛けているものの、商品の目的としては自動車の乗り入れをスムーズにしたり、歩行者のつまずきや自転車・バイクの転倒を防止することをうたっており、公道で常設されているのが現状だ。

尚、段差解消プレートの製造販売を行なうメーカー2社に取材を依頼したが、いずれからも回答は得られなかった。

日本の狭い道路をいかに安全に快適に利用していくのか。段差解消をめぐる課題は、道路のあり方そのものを問い直している。

取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班

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