
「悔しがる権利もない」から4年──”エース”上田綺世に求められるチュニジア戦で示すべき価値【W杯】
「悔しがる権利もない」
前回のカタール・ワールドカップで、上田綺世は自身の実力を示せなかった。
「4年前は代表にギリギリ呼んでもらえたけど、何も貢献できなかった。チームとしては『ベスト16で惜しかった』『目標としていた場所まであと一歩』でしたが、僕自身は全然そんなことなくて、それを悔しがる権利もないような感覚。悔しいという感覚も、よく理解できないようなレベルでした」
あれから4年。上田は今や誰もが認める日本代表のエースストライカーとなった。
北中米ワールドカップで日本が躍進を果たすためには、背番号18の得点力が欠かせない。上田にマークが集中すれば、そのぶん堂安律や中村敬斗ら周囲のアタッカーが活きる。相手守備陣を引きつける存在としても、その価値は大きい。日本が上位進出を果たすうえで、上田の存在は欠かせない。
6月20日のチュニジア戦は、立ち上がりが大きなポイントになる。早い時間帯に得点を奪えれば日本は勢いに乗れる一方、ゴールをこじ開けられなければ、チュニジアの思惑通りの展開に持ち込まれる可能性もある。
その意味でも、上田はファーストプレーの重要性を強調する。
「ポジションがフォワードなので、そこで収まるか否かで最初の流れの取り合いも大きく変わってきます。僕自身も試合全体のやりやすさが変わってくるので、慎重にプレーしつつ、消極的にならないように、自分がより攻撃的でいられるようポジティブにプレーすることを意識しています」
本人もコンディションには手応えを感じている。
「良いと思います」
実際、オランダ戦では22分と27分に鋭い裏抜けを見せた。味方からパスが出なかったものの、相手の最終ラインを攻略するイメージは十分に持っていた。
「(オランダ戦は)ピッチがそれなりに見えていたし、悪い感覚はなかったですね。状況もあるし、オランダ戦はポゼッションが低かったので、次はマイボールの時間を長くしたい。僕の意思は伝えていますけど、最後はキッカーに選んでもらうしかない。できることはやっているつもりです」
動きそのものは決して悪くない。あとは、どれだけ味方からボールが供給されるか。そして巡ってきたチャンスを、日本のエースが確実に仕留められるかだ。
4年前は「悔しがる権利もない」と語ったストライカーは、今や日本のエースとしてピッチに立つ。チュニジア戦で求められるのは、その成長をゴールという結果で示すことだ。
取材・文●白鳥和洋(サッカーダイジェストTV編集長/現地特派)
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