
交代枠を使い切り、4人がW杯デビュー。2試合で森保ジャパンは22人を起用。スウェーデン戦のスタメンは、良い意味で読みにくい状況だ【日本代表】
【W杯GS第2節】日本 4-0 チュニジア/6月20日/エスタディオ・モンテレイ
北中米W杯の第2戦、日本代表はメキシコのモンテレイでチュニジア代表と対戦。4-0の勝利を飾り、勝点を4に伸ばした。
初戦のオランダ戦は二度リードされながら2-2に追い付き、絶対的に勝点3が必要と言われたチュニジア戦で大勝という上々の結果だが、その中で1つ評価したいのは選手起用だ。
チュニジア戦では、オランダ戦から4人のスタメンを入れ替えた。いわゆるターンオーバーとまではいかないが、4年前のカタールW杯では、初戦で逆転勝利したドイツ戦(2-1)から、次のコスタリカ戦(0-1)で5人を入れ替えたことが、よもやの敗戦に繋がったとの意見もあり、その観点からも森保一監督が、今回はどういったスタメンを並べるか注目されていた。
少なくとも入れ替えが必要だったのは、オランダ戦で負傷交代した久保建英の右シャドーで、経験豊富な伊東純也をチョイス。さらに初戦で前田大然が躍動した左シャドーに、ボランチから鎌田大地を引き上げた。
これに関して森保監督は「大地はここのところボランチで起用してますが、今のチーム状況を考えた時に、シャドーに回って彼の良さを出してもらう」と理由を説明する。
久保の不在に加えて、チュニジア戦はオランダ戦よりボールを握る時間が増えて、引いた相手から得点を狙う局面が増えることを想定すれば、鎌田を前に上げる選択は理にかなっている。
鎌田が上がることで空いたボランチには、田中碧を抜擢。運動量が豊富で、かつ最終ラインに下がりながらビルドアップに参加できる田中を佐野海舟と組ませることで、全体を前に引き上げる。
さらにチュニジア戦では、前半の鎌田と上田綺世のゴールシーンで見られたように、積極的な縦のスプリントも大量得点を引き出すトリガーになった。
残る2人はセンターバック。オランダ戦で途中出場した冨安健洋、そして遠藤航に代わるチームキャプテンを担う板倉滉だ。
森保監督は2人のスタメン起用に関して「ここのところ怪我がちで代表活動に参加できなかったが、彼らの実力に疑う余地はない。ワールドカップで戦える選手として、これまでも見てきました。国内のキャンプ、アイスランド戦、モンテレイの事前キャンプ、さらにベースキャンプでコンディションを上げてきていた」と説明する。
そのうえで「1戦目は(谷口)彰悟と(渡辺)剛が頑張ってくれていましたが、彼らにチャンスを与えてもいいのではないかということで起用しました」と語る。
カタールW杯と大きく違うのは、前回大会を経験した選手の割合が多く、森保監督が信頼できるスタメンの選択肢が増えていることだ。
特にセンターバックは冨安や板倉、2試合続けてスタメンの伊藤洋輝など、主力に長期の怪我人が出たなかで、渡辺や瀬古歩夢、鈴木淳之介といった“非カタール組”が台頭してきた経緯がある。
オランダ戦でスタメンだった谷口は、アキレス腱の負傷で1年間離脱し、そこから復活してきた選手。一見、リスクがあるセンターバックのスタメン入れ替えにも、森保監督としては躊躇がない理由と言える。
チュニジア戦では4人のスタメン入れ替えに加えて、交代枠5人を使い切り、そのうち4人がW杯デビューとなった。
69分に伊東が得点し、3-0とリードした状況で、右ウイングバックの堂安律から菅原由勢、鎌田から鈴木淳に代えて、左ウイングバックの中村敬斗をシャドーにポジションチェンジした。
菅原はオランダ戦でも途中投入されて良い仕事をしているが、W杯デビューとなる鈴木淳は、無失点で終えることと追加点の両方をオーダーされていたと振り返り、守備から入ることで試合のリズムが掴めたと語る。
75分過ぎには中村に代わり鈴木唯人が、冨安に代わり瀬古が、世界の大舞台で初めてピッチに立った。
鈴木唯はボールをキープする流れで2人の守備者に囲まれて、顔から地面に落ちてしまうアクシデントもあったが、その後、1か月半前に痛めた右の鎖骨を特別かばう様子もなく、献身的な守備と前向きな仕掛けでデビュー戦をやり抜いた。
瀬古は遠藤の離脱により、FW町野修斗が追加招集されたことで、センターバックよりボランチがメインになることを想定するコメントもしていたが、結局センターバックでのW杯デビューとなった。
さらに終盤、森保監督は2得点の上田に代えて、21歳の誕生日を迎えて間もない後藤啓介を5枚目の交代選手として送り出した。
「4-0というのもありましたし、やるべきこともはっきりしていたので、あまり緊張することはなかった」という後藤は、守備のタスクをこなしながら、あわよくばチャンスを狙うという姿勢を見せ、次回への期待が高まるデビュー戦となった。
オランダ戦では同じ21歳の塩貝健人がデビューしているが、今後も途中出場の出番がメインと想定されるなかで、2戦目までに彼らが本番のピッチを経験できたことは大きい。
オランダ戦で同点ゴールに絡んだ小川航基も含めて、これで22人の選手が起用されたことになる。
GKの早川友基と大迫敬介を除けば、フィールドプレーヤーで出ていないのは、5度目のW杯となる39歳の長友佑都と追加招集の町野だけ。
町野に関しては、試合前日にコンディションを崩して、この日は久保と共にベンチからも外れたが、常に試合に送り出すメンバーがベストと強調する森保監督が、3試合目のスウェーデン戦でどんなスタメンを送り出すのか、良い意味で読みにくい状況となっている。
文●河治良幸
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