かつて世界中を恐怖のドン底に叩き落とした、あの長く黒い髪の少女が、静かにこの世を去った。ハリウッド版「ザ・リング」(2002年)で、テレビ画面から這い出す不気味な少女サマラ・モーガンを演じ、MTVムービー・アワードの「最優秀悪役賞」に輝いた女優デイヴィー・チェイスが6月16日、35歳という若さで帰らぬ人となったのだ。
2000年代初頭、彼女はディズニーの金字塔「リロ&スティッチ」で、声優として主人公リロを演じ、その愛らしい声で世界を魅了。さらにはアカデミー賞を受賞した「千と千尋の神隠し」英語版でも、千尋という大役を射止めた。これで誰もが順風満帆なスター街道を歩んでいくはずだと、信じて疑わなかったのである。
しかし、そんな彼女を待ち受けていたのは、誰も予想しなかった、あまりにも残酷な運命の暗転だった。
映画ジャーナリストが語る。
「きっかけは2016年のバイク事故です。負傷に伴う鎮痛剤の処方から、徐々に薬物に依存するようになった彼女は、オーバードーズに伴うトラブルで警察沙汰に。近年はドラッグ所持や盗難車に乗っていた容疑で、たびたび警察のお世話になっていたようです。その後はホームレス生活を経て、消息不明となっていました」
将来を嘱望された女優の転落劇。映画関係者の間ではサマラ・モーガン、すなわち「貞子」の呪いがあったのではないか、との噂が根強く、
「あの作品にさえ出演していなければ…との指摘が多いのは事実です」(前出・映画ジャーナリスト)
ガリガリに痩せ細り路上で力なく横たわる姿をキャッチ
ホームレス時代の彼女はロサンゼルスのダウンタウン、スキッド・ロウ地区を彷徨っていたとされるが、SNSに流出した動画には、かつての面影が消え失せてガリガリに痩せ細り、路上で力なく横たわる姿がキャッチされていた。
「家族やマネージャーは何度も救いの手を差し伸べたようですが、結局は施設への入所計画が頓挫し、歯車が二度と噛み合うことはありませんでした。死因は髄膜炎と血液感染による敗血症ですが、栄養失調という極限状態の中、たった一人でこの世を去ったということです」(映画関係者)
昨年末、長年にわたって彼女のマネージャーだった男性が、ホームレスのテントが集まるエリアで寝そべるチェイスを発見。しかしマネージャーが家族を呼んで駆けつけるも、到着した時、彼女はすでにいなくなっていたという。
華やかなスポットライトと、路上生活の落差。ハリウッドの夢の果てに、彼女は何を見たのだろうか。銀幕の向こう側から這い出た貞子の呪いの結末は痛ましく、そしてあまりに恐ろしく思えてならない。

