
「佑都くんが出たら、ベンチも含めてえぐいぐらい応援しますよ」その瞬間は訪れるのか──長友が明かした”チームメイトの言葉”【W杯】
北中米ワールドカップで日本代表のベンチを見ていると、誰よりも声を張り上げているのが長友佑都だ。本人もその自覚はある。
「もうピッチに入っていますね。長友、多分いるんじゃないですか、もうピッチに」
冗談めかして語るが、その存在感はベンチにいる選手のそれではない。
「一緒に戦っているし、むしろ自分がピッチで戦っている。相手選手がサイドにいるときは相当な声で圧をかけていますし。皆さんには聞こえないだろうけど、そのぐらい一緒に戦っている」
その姿を長友自身はこう表現した。
「だから12人で実質戦っていますよ、ピッチの中は」
なぜそこまで声を出し続けるのか。その理由は明確だ。
「戦っている選手たちって11人の中で戦ってるんだけど、結構孤独に感じたりするんですよね」
ワールドカップの重圧の中では、「ミスをしたらどうしよう」という不安や恐怖が生まれる。そんな時にベンチからの声が力になるという。
「ベンチを見たら強くなれるとか、自分は孤独じゃないと思えると、より積極的なパフォーマンスというか、前に向けるようなプレーができ始めるんですよね」
実際、オランダ戦後には谷口彰悟から「ベンチを見たら強くなれる気持ちがある」と言われたという。
その考えの原点には、ロシア・ワールドカップでの川島永嗣の言葉がある。
「川島永嗣さんが、自分がミスをして失点したときに周りの選手が声をかけてくれて、『自分は孤独じゃないんだ』と思えたと言っていたんです。まさにその通りで。孤独にしないっていうのは非常に大事なポイントだなと思って、僕も意識して戦っています」
だから長友は、たとえ出場機会がなくても全力でチームを支える。
もっとも、本人は決してサポート役に満足しているわけではない。
「モチベーションは誰よりも高いでしょ。そのために4年間やってきたので。絶対チャンスがどこかであると思うので。絶対諦めないですよ」
そして、いざ出番が訪れれば——。
「えぐいほど上がるでしょ」
チームのボルテージについてそう断言する。
実際、南野拓実からも「佑都くんが出たら、ベンチも含めてえぐいぐらい応援しますよ」と言われたそうだ。
「その気持ちもすごい嬉しかったし」
「まだまだいけますよ。大丈夫。僕が出たら一気にボルテージ上がるんで。上げさせるんで」
仲間を孤独にさせないため、ベンチから戦い続ける長友。今は“12人目の選手”として日本代表を支えているが、その闘志はピッチに立つ瞬間へもしっかり向けられている。出番が来れば、チームの熱量は間違いなくもう一段階上がるはずだ。
取材・文●白鳥和洋(サッカーダイジェストTV編集長/現地特派)
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