お笑い芸人の伊集院光が、22日放送のTBSラジオ『伊集院光 深夜の馬鹿力』(月曜25時)に出演。AI技術の急速な進展とその裏側に潜む危うさについて言及した。
伊集院は、NHKの報道をきっかけにした話題として、「トランプさんがさ、イラン攻撃をAIで。『この会社のAIで、どこを爆撃するか決めたから、すごい迅速にできました』みたいな話をするわけ」と切り出す。さらに、その企業の株を事前に購入していたとされる点にも触れ、「『そんなのありなん?』って思うけど」と疑問を呈した上で、「どうやらアメリカの決まりでは、『大統領は何してもあり』みたいなところに入ってて、ありらしい」と、制度面の問題にも言及した。
責任の所在が曖昧になるAI時代のリスクも
続けて、実際の爆撃で小学校が巻き込まれたという報道に触れ、「そのAIの会社に『こういうことが起きてるけど』つったら、もう、『いや、それはウチじゃないはずだから知らん』って言うわけ。なんかすごい怖くない?」と語り、責任の所在が曖昧になるAI時代のリスクを指摘した。
「AI同士で良いところ悪いところを修復するフェーズに入ってきた」
また、AI開発の最前線についても触れ、「AIがAI同士で、AIの良いところ悪いところを修復するフェーズに入ってきた」と説明。「『ここバグですよ』とか『ここはこうですよ』ってやるようになってきたから、『ちょっとヤバくない?』」と、自己改善を続ける技術への不安をにじませた。
一方で、「『開発やめたほうが良くない?』みたいな話」をしても、各国や企業が競争を続ける現状により、誰もその呼びかけを信じない構図があると分析。「『そうは言ってもやってんだろ、お前んところ』っていう感じになっちゃう」と、疑心暗鬼が加速する現実を語った。
AIの判断が人命に直結する問題については、「AIが『人をたくさん、なるべく民間人を少なめに殺したい』みたいなこととか…純粋に動いてる時に、何十人っていう子供が死ぬことは、『メリットの方からしたら、そこまでのマイナスじゃない』って考えることってあり得るわけじゃん」と指摘。倫理的ジレンマとして知られる「トロッコ問題」を引き合いに出し、「みんなが答え出なくて困ってるやつをもうやってるってことじゃん」と語った。
犠牲前提の進歩に複雑な本音
さらに、技術発展と犠牲の関係を過去の事例に重ね、「昭和30年代半ばぐらいかな。自動車をみんなが使うようになり始めて『交通戦争』ってなるわけで」と回想。当時は年間1万6000人が交通事故で亡くなっていたとし、「『社会が発展するためだったら、とりあえず1万人死ぬのはいい』っていう考え方じゃん」と、利便性の裏で犠牲が容認されてきた歴史を指摘。
その流れから、自動運転やAI研究についても「なんか止まんねぇんだろうな、便利なものは」と述べ、「どう転がっても止まんねぇんだよなっていうのが、なんか悲しい結論」と本音を吐露。さらに、「今頃、『みんなでやめよう』と…核とかと一緒。今頃みんなが『やめよう』って言ったところで、もうやる国は絶対ある」と、国際的な抑止の難しさにも言及した。
最終的には、「その国のAIを誰も止めらんないようになっちゃうぐらいだったらっていう大義名分の下、いろんなことが進んでいくんでしょう」と締めくくり、技術の進歩と倫理の間で揺れる現代社会の縮図を浮き彫りにした。

