“正義”のマッチョハンマー男はコソ泥だったのか——。警視庁立川署は22日、東京都立川市内のリサイクルショップに侵入、ブランド品のバッグなどを盗んだとして建造物侵入と窃盗の疑いで福生市の職業不詳、高林輝行容疑者(44)を再逮捕した。高林容疑者は今年4月、自宅前の路上でたむろして騒いでいた若い男女のグループにハンマーを振りかざして襲い掛かり、男子高校生を殴打してケガをさせたとして傷害罪で起訴されていた。
逃走車のナンバープレートはプラスチックなどを使用して偽造したもの
再逮捕の容疑は今年2月9日午前3時ごろ、高林容疑者ら男2人が立川市内のリサイクル店に侵入、ブランド品のバッグなど9点(計約343万円相当)を盗んだ疑い。高林容疑者は黙秘しており、同署は共犯とみられる男の行方を追っている。
「高林容疑者はゴールデンウィーク中の4月29日午前7時過ぎ、自宅前で騒いでいた男女の集団にハンマーで襲い掛かり男子高校生2人を殴打。
うち1人に左目の骨を折る重傷を負わせて自宅に戻り、駆けつけた警察官に薬剤とみられる液体を噴射して逃走、殺人未遂容疑で公開指名手配され、5月1日に潜伏していた千葉県習志野市内のアパートで身柄を確保された。
福生の自宅からは裏口から出てバイクで逃走、昭島市内で用意していた車に乗り換えて潜伏地点まで逃げていた。
その後の捜査でバイクや車のナンバープレートはプラスチックなどを使用して偽造したもので、逃走に使った車は車体を個別に識別するための『車体番号』が削り取られていた。
この車と2月の立川市でのリサイクル店での窃盗に使われた車が一致している可能性が高いと判明。さらに昨年12月に同市内の別の店で現金が盗まれた事件でも同じ車が確認されており、警視庁は他にも余罪の可能性があるとみて調べを進めています」(社会部デスク)
4月の“襲撃”事件では、事件当日の早朝に容疑者の母親が騒いでいた高校生らに静かにするよう注意したにもかかわらず、現場に留まり続けたことが発端ともされ、ネットでは同情する声が噴出していた。
当時、高林容疑者の母親も集英社オンラインの取材にこう答えていた。
「息子は一言で言えばマッチョです。毎朝7時から3時間ぐらいホームジムでトレーニングをやるんです。
だから明け方の時間は熟睡する必要があるのに、ウチの前にバイクを停められる焼肉店があるせいか、高校生ぐらいの若者が未明ぐらいから集まってしょっちゅう騒いでいて、隣のマンションの人たちも怖がっていたんですよ。
だから私が朝早くに『うるさいですよ』と注意しに行くのを、息子には『お母さんは気弱いくせにすぐ正義漢ぶって。もうやめなよ。次からは絶対に110番するように』と釘を刺されていたぐらいです。
だから今回はこんな大ごとになる前に、私が110番するべきだった。本人には自首してほしいと思っています」
現金書留が届いているらしくて「ちょっと励みになるよ」
その後もSNS上では高林容疑者に対して、「バイクの騒音少年らから町を守った」などの擁護の声が広がり、「高林輝行容疑者の情状酌量と、暴走族による騒音行為の厳罰化を求めます」と訴えるオンライン上の署名運動には1万6000筆以上の賛同が集まるなどマッチョハンマー男は半ば「義賊」としてもてはやされていった。
そして、逮捕後に福生署の留置場に面会に行ったという母親は、取材にこう答えた。
「無事に会えました。よっぽど落ち込んでぐったりしているかなと思ったら全然そうじゃなくて。半袖を着ていて、ニコニコ顔で筋肉ムキムキ。おかげさまで元気そうでした。
見ず知らずの何人からも、差し入れの現金書留が届いているらしくて、『ちょっと励みになるよ』とも言っていました。
あと、ここの食事は、以前に町田署に勾留された時よりいいと。町田署では朝ごはんにパン2つしか出なくて腹ペコになったけど、ここはわりとちゃんとした弁当が出ると話していました」
ネット民たちから義賊として祭り上げられた無職のマッチョハンマー男。
母親は年金暮らしで生活苦にあえいでいるとみられていたが、男が暮らしていた自宅の離れ からは7万円を超える高額な自転車の領収書なども発見されている。“善意の差し入れ”を手にした男は今、何を思うのかー。
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班

