
ポルトガルが大勝に相応しいパフォーマンス。指揮官が信頼するエースが“目覚めの一撃”。不協和音の噂を一蹴するようなゴールも【現地発】
北中米W杯の初戦で、DRコンゴを相手に1-1のドロー。ノーゴールに終わったクリスティアーノ・ロナウドを筆頭に、多くの批判的な声を浴びたポルトガルだが、同じヒューストンで行なわれた第2戦は、アブドゥコディル・フサノフを擁するアジア勢のウズベキスタンを相手に、前半だけで3得点。さらに後半にも2点を加え、5-0で快勝した。
開始6分に、ジョアン・カンセロの右からのクロスをC・ロナウドが右足ボレーで捉えて、6大会連続ゴールとなる“目覚めの一撃”で口火を切る。17分には、ジョアン・ネベスが獲得したペナルティエリア手前やや右よりのFKで、C・ロナウドが蹴ろうとする構えを見せながら、左利きのヌーノ・メンデスが目の前の壁とGKアブドゥボヒド・ネマトフのタイミングを外す低いボールでチーム2点目を決めた。
そして印象的だったのが、39分のC・ロナウドによるゴールだ。自陣の守備から中央で仕掛けたブルーノ・フェルナンデスが、タイミング良くディフェンスの合間を抜けるC・ロナウドに絶好のスルーパス。これにキャプテンでもあるエースが冷静なフィニッシュで応えた。
DRコンゴ戦の後、C・ロナウドを特別視しないというB・フェルナンデスの言動は少なからず物議を呼んだが、チームの不協和音の噂を一蹴するようなゴールで、前半だけで3-0とリードを広げる。
後半もポルトガルは右サイドのドリブラーであるフランシスコ・コンセイソン、2列目の中央でアクセントになれるフランシスコ・トリンカン、スピードのある左サイドアタッカーのラファエウ・レオンなどを投入しながら、相手のオウンゴール、さらにネウソン・セメドの右からのクロスのクリアボールに、左から中央に流れたレオンが反応してネットを揺らし、5-0とした。
ポルトガルは17本のシュート、9本の枠内シュートを記録した一方で、ウズベキスタンのシュートは7本で、枠内が2本だった。29分には2列目のアボスベク・ファイズラエフが、カンセロからボールを奪ったところから、アジズジョン・ガニエフが鮮やかな左足のミドルシュートでゴールネットを揺らしたが、VARでファウルが確認されて、ノーゴールになったシーンもあった。
ただ、全体的にポルトガルが大勝に相応しいパフォーマンスを見せたと言える。そのなかで、フル出場したC・ロナウドは、惜しくもハットトリックを逃すシーンに苦笑いを見せたものの、MOMも納得の活躍で、初戦の評価を払拭した。
ロベルト・マルティネス監督はDRコンゴ戦の記者会見で、前回カタールW杯では初戦でサウジアラビアに敗れたアルゼンチンが尻上がりに調子を上げて優勝したり、2010年大会ではスペインがスイスに初戦で敗れて、そこから巻き返して優勝した事例を出し、自分たちのポテンシャルを信じて疑わない姿勢を見せていた。
ウズベキスタン戦では、その言葉に嘘偽りがないことを証明したと言える。しかも、エースのC・ロナウドが2得点という結果を出すだけでなく、チームメイトと活かし合うプレーを含めて、キャプテンらしい振る舞いを見せたことも、今後の戦いを考えると大きい。
マルティネス監督も「チームとして大きな成果を証明しました。感情をコントロールし、乗り越えることもできました。そして、この90分間、自分たちの持てる力を最大限に発揮できた。クリスティアーノ・ロナウドは完璧なキャプテンです。彼は非常に高い集中力を発揮し、自身の経験を活かしました」と振り返り、改めてその信頼を強調した。
これで勝点4となったポルトガルはグループステージ突破が見えたが、それを確かなものにすると同時に、しっかりと通過を果たすためには、第3戦でコロンビアに勝利したい。ドイツやアルゼンチンのように、2試合で突破を確定させたチームがあるなかで、多少なりとも負担はあるかもしれない。しかし、出足が鈍かっただけに、試合を重ねながらチームの状態を上げていく意味で、第3戦が“消化試合”にならなかったことはポジティブに捉えることもできる。
取材・文●河治良幸
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