これはトレードのショーケースなのだろうか。そう思ってしまったのは、阪神タイガースの梅野隆太郎捕手が2軍から再昇格し、6月23日のヤクルト戦に即スタメン出場して攻守に高い能力を見せつけたことだ。
1-0とリードした5回に二塁打を放ってチャンスメイク。守りでは才木浩人を6回無失点に抑え込むリード。しかし終盤戦の8回に逆転を許して敗れたため、
「結果的に負けたのが悔しい」
と白星で飾れなかったことに表情を曇らせた。
梅野は藤川球児監督体制となり、坂本誠志郎や日本ハムから新加入した伏見寅威らの台頭で、出場機会が激減。トレードの噂が立っている。
3回のゴールデングラブ賞に輝いた強肩と高いブロッキング技術は、まだまだサビついていない。
在阪ジャーナリストが言う。
「他球団ならレギュラーを狙えるし、人間性も高く評価されています。1軍では干され気味ですが、2軍では早朝から誰もいない室内で打ち込んでいましたし、若手投手と捕手にアドバイスを伝え、時間を共有していました。腐るどころか自分の知識を分け与える姿勢に、他球団からは熱視線が向けられています」
捕手が余る異例の過密状態に
坂本、伏見に加えて栄枝裕貴、嶋村麟士朗らがおり、捕手が余る異例の過密状態になっているタイガース。育成方針も相まって、梅野が弾かれてトレードの目玉になってもおかしくないチーム構造なのである。
パ・リーグ関係者が言う。
「楽天、ロッテあたりは次世代の若手投手のリード向上や、生え抜き捕手のお手本、あるいは教育係として梅野をベンチに置くための調査を進めています」
しばらくは、捕手不足に悩む他球団からのトレード打診や移籍話が鎮静化することはなさそうである。
(田中実)

