
エボラ出血熱の影響で21日間の隔離も…世界的な強豪相手に食らいつく“レパーズ”に心を揺さぶられた【現地発コラム】
日本代表に関するニュースをはじめ、リオネル・メッシ、キリアン・エムバペ、アーリング・ハーランドなどスーパースターの活躍が連日、インターネット上をにぎわしているFIFAワールドカップ(W杯)。私のいるメキシコでも一日中、メキシコ代表の動向で持ち切りだ。出場している48チームにはそれぞれのストーリーがある。だが、出場チーム数拡大によって、優勝候補でもない、スター選手もいないチームには、なかなかスポットライトが当たらない印象だ。
そんなチームのひとつがアフリカのDRコンゴである。W杯開幕前に、母国で発生したエボラ出血熱の影響で、予定したアメリカ国内での事前キャンプができず、同国外での21日間の隔離を余儀なくされた。仕方なくチームはベルギーで過ごし、スペインで予定されていた強化試合も、フランスで観客を入れずに実施されたそうだ。キャンプも外部との接触制限や、予定したものと異なる施設、プランの変更など、多くの不都合があったはず。母国の家族への心配は言うまでもない。
こうした悪条件下で“レパーズ(ヒョウ)”の愛称を持つDRコンゴ代表は勇敢に戦っている。初戦はクリスティアーノ・ロナウドを封じ込み、ポルトガルと1-1の引き分けに持ち込んだ。52年ぶりの出場となったDRコンゴにとって、ヨアンヌ・ウィサが決めた同点ゴールは記念すべきW杯初得点。ザイールの旧国名で出場した1974年西ドイツ大会は、1次リーグで3戦全敗、無得点に終わっていた。
現地6月23日に行なわれたコロンビアとの第2戦も大いに健闘したが、残念ながら結果は0-1の黒星。スタジアム全体がコロンビアイエローに染まるなか、立ち上がりから南米の強豪が攻勢で、ルイス・ディアスが、ハメス・ロドリゲスが、ジョン・アリアスが至近距離から、あるいはミドルレンジから立て続けにDRコンゴのゴールを脅かした。それに立ちはだかったのがGKリオネル・エンパシ。渾身のセーブが続き、チームは瀬戸際で踏みとどまった。
その後もコロンビアの優勢は続く。しかし、DRコンゴの奮闘も実らず76分、ついに均衡を破られてしまう。こぼれ球を蹴り込んだのは、右サイドバックのダニエル・ムニョス。その後は反攻に転じたDRコンゴだが、ボールコントロール、パスが乱れて決定機につながらない。試合終了間際に掴んだチャンスも、ものにできず。期待されたセドリク・バカンブ、ウィサの2トップも、コロンビアのダビンソン・サンチェス、ジョン・ルクミというセンターバックの前に力を発揮できなかった。
敗れはしたが、それでもまだグループステージ突破の望みはある。27日の第3戦で戦うのは、すでに2敗を喫しているウズベキスタン。これを下せば勝点4となり、少なくとも3位での勝ち上がりの可能性が見えてくる。「(次戦は)リスクを冒す必要がある。引き分けでは十分じゃない」とフランス人のセバスチャン・デサブル監督。最後の力を振り絞るこの一戦の戦いぶりに注目したい。
DRコンゴは決して、世界レベルとは言えないかもしれない。それでも普段は馴染みのないチームを見ることができるのもW杯の楽しみの一つ。世界的な強豪を相手に苦しみながらも、何とか食らいつこうと奮闘する姿には、心を揺さぶられるものがある。
取材・文●石川 聡
【画像】日本代表のチュニジア戦出場16選手&監督の採点を一挙紹介!8人が7点以上の高評価!最高点は2G1Aの18番
【画像】美女がずらり!! 上田綺世、谷口彰悟、長友佑都、柴崎岳…新旧日本代表を支える“女優&モデル妻たち”を一挙紹介!
【美女サポ画像】北中米W杯を華やかに彩る各国ファンを一挙公開!
