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応援するチームは人それぞれ。各国サポーターが一堂に会しているからこそ、盛り上がる“ツボ”も違ってくる【W杯戦記】

応援するチームは人それぞれ。各国サポーターが一堂に会しているからこそ、盛り上がる“ツボ”も違ってくる【W杯戦記】


 ワールドカップのグループステージも3節目に入った。ついこの間、開幕したばかりだと思っていたら、決勝トーナメント進出争いはもう佳境である。

 このグループステージ3試合目は、同じグループの2試合が同時刻キックオフで行なわれるとあって、どこで観戦するかが難しい。メディアセンターで見るのは味気ないし、だからと言って、スポーツバーのような場所に行こうにも、真っ昼間から客でにぎわっている店は珍しく、ひとり静かに見ていてもつまらない。

 そこで観戦場所として選んだのが、前にも紹介したファンフェスティバル内のパブリックビューイングである。

 ここは、シアター形式の会場でゆったりと椅子に座って観戦できるうえ、会場内に3画面が設置されているので、どこからでも試合が見やすい。これまでは3画面すべてで同じ試合を放映していたが、今回は同時に2試合が行なわれているとあって、中央の画面でひとつの試合、そして両サイドの2画面でもうひとつの試合を見ることができた。

 具体的に言えば、グループBの試合では、中央の画面でカナダ対スイス、両サイドの画面でボスニア・ヘルツェゴビナ対カタール。グループCの試合では、中央の画面でブラジル対スコットランド、両サイドの画面でモロッコ対ハイチ、といった具合である。

 両サイドの画面は中央のそれに比べると、少し小さ目ではあるのだが、十分に大画面であり、映像も鮮明。2試合を両にらみで観戦するには絶好の会場だった。

 とはいえ、ダラス時間14時に始まったグループBの2試合が行なわれている時は、まだ観客も少なく、率直に言って、やや盛り上がりに欠けた。

 会場が沸いたと言えるのは、スイスに2点をリードされたカナダが、1点を返した場面くらいだろうか。スイス、ボスニア・ヘルツェゴビナそれぞれがリードする展開となり、大きく順位が変動する可能性が低くなったこともあって、誰もが静かに試合を見守る、といった雰囲気となっていた。
 
 そんな落ち着いたムードが一変したのは、ダラス時間17時キックオフのグループCの2試合が始まった時である。

 大挙して集まったブラジルサポーターが、まずは立ち上がって試合前の国歌を熱唱。試合序盤からヴィニシウスがゴールを決めるたび、場内は大歓声に包まれた。

 だが、2試合同時進行のパブリックビューイングで面白いのは、必ずしも観客全員がブラジル戦を見に来ているわけではないということだ。

 多くの人たちが、中央の画面に映し出されるブラジル対スコットランドの試合に一喜一憂している傍らで、独自の盛り上がりを見せていたのが、モロッコサポーターである。

 彼らは椅子に座って横向きになり、サイドの画面に映し出されるモロッコ対ハイチの試合を注視。ハイチが得点すれば、ため息をもらし、モロッコが同点に追いつけば、大歓声を上げていた。

 その間、一番会場が沸いたのは、ネイマールが途中出場した場面だったが、その直後、モロッコが勝ち越しゴールを決めると、会場の一角だけが突如沸き立つこととなった。

 応援するチームは人それぞれ。各国サポーターが一堂に会しているからこそ、盛り上がる“ツボ”も違ってくる。

 必ずしもスタジアムで観戦するだけがワールドカップではない。パブリックビューイングといえども、ワールドカップでなければ味わえない盛り上がりが、そこにはあった。

取材・文●浅田真樹(スポーツライター)

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配信元: SOCCER DIGEST Web

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