最近「プロが選ぶ」とか「業界人がガチ審査」などを謳い文句にする番組や企画が増えたように感じる。一般人の投票と違って、熱狂的ファンの組織票による偏りは防げるかもしれないが、プロやら業界人やらが、普段の「お仕事」での関係性や忖度を抜きにして投票しているのか疑わしい。いやそもそも、そのプロや業界人とやらが本当に存在するのかさえ怪しい。
そういえば先日、「世界とつながり、音楽の未来を灯す。」をコンセプトとした国内最大規模の音楽賞「MUSIC AWARDS JAPAN」の第2回授賞式が、TOYOTA ARENA TOKYOで開催された。
昨年の第1回の時から悪い冗談としか捉えていなかったので、まさか今年もやるとは思いもしなかった。なぜなら「音楽人5000人が選ぶ国際音楽賞」と言われたところで「音楽人って何?」だから。
そんなもの、虚構の権威でしかなかろうに。しかもその中にはアーティストやクリエーターだけでなく、マネージャー、プロモーター、ディーラー、ディストリビューターといった業界人が入っているというのだから、もはやお金と商売の匂いしかしてこない。
そんな折の6月22日、「プロフェッショナルランキング」(TBS系)を見たら「世界が選ぶ日本の最強アニメソングBEST100」だった。それまで一部マニアか子供のためのものだったアニメが「クールジャパン」と呼ばれ、世界に誇る日本の文化と認知された。インターネットの普及によってどこの誰でもが簡単に作品に触れ、視聴できるようになったことが大きい。
が、なによりも作品自体が魅力的だったからにほかならない。そして作品の物語や世界観を表し、より没入感と一体感を与えてくれるのが、アニメの主題歌や挿入歌、いわゆるアニソンだ。
アニメファンやマニアの熱量は、商業音楽のリスナーとは比べものにならない。彼らはそれぞれが専門家のように一家言を持っているから、ヘタに識者ぶることは危険を伴う。
にもかかわらず、この番組は「その道を極めたプロによるガチ投票で決定した『本当のランキング』を大発表!世界の音楽のプロ166人が選んだ『最強アニメソングランキング』2時間SP!」なんて看板を、無謀にも掲げていた。
懐かし映像や過去のインタビューの寄せ集めだった
その上、選出されたアニソンに対するコメントが表示されても「ベルギー/20代女性/歌手」や「フランス/40代男性/音楽ディレクター」なんて、どこの誰だよって話だし、たまに顔写真が一緒に表示される「プロ」もいたが、私の不勉強のせいなのか「ああ、あの人か」とは全くならなかった。素直に「世界のアニメファンが選ぶ」って言ってくれれば、もっと素直に楽しめたのに。
そして6月24日の「EIGHT-JAM」(テレビ朝日系)に至っては「豪華プロが選ぶ!音楽の教科書に載せたい女性アイドル50年史」ときたもんだ。おいおい「商業文化の極北」ともいうべき「女性アイドル」の、その歴史やら楽曲をわざわざ学校教育で取り上げることに意義はあるのか。
…と目くじらを立ててみたものの、「教科書に載せたい」はただの言葉遊びで、実際はなんてことはない、懐かし映像や過去のインタビューの寄せ集めだった。
視聴者もバカじゃない。「プロ」だの「識者」だのって言葉にいつまでも騙されると思っていたら大間違いだ!
(堀江南/テレビソムリエ)

