『LEGACY RISE 2026』後楽園ホール(2026年6月25日)
GHCナショナル選手権試合 ○丸藤正道vs近藤修司×
“18年越しベストバウト再戦"となったGHCナショナル王座戦は、熱闘の末に丸藤が近藤を破って2度目の防衛に成功。次期挑戦者にはタッグパートナーの拳王が「守るだけじゃなくて攻めろ」と大演説で名乗りを上げ、“丸拳"対決が決定的となった。
5月の名古屋大会で近藤が丸藤を破って挑戦表明。かつて2008年全日本11・3両国大会で行われた世界ジュニア王座戦「丸藤vs近藤」はプロレス大賞ベストバウトを獲得したが、敗れたままになっている近藤は「丸藤とシングルをやるためにここまでやってきた。勝ち逃げはさせない」と18年越しの雪辱に執念を燃やして、この日を迎えた。
序盤からひらめきを発揮した丸藤は鉄柵上でDDTを決めて先手。ジュニア時代に得意としていたトップロープからロープに華麗に飛び乗ってのムーンサルトアタックも披露した。しかし、近藤はエプロンでのKUBINAGEで強引に活路。コーナー上で自らのヒザに首から叩きつける変型バックブリーカーを繰り出し、丸藤の首にダメージを重ねる。
一方、丸藤も手首を固めた状態で虎王を3連続でぶち込み、不知火を敢行。ようやく流れを掴んだかと思いきや、一歩も引かない近藤はキングコングラリアットを乱れ打つ。丸藤も虎王を打ち返して激しい打撃戦へ。丸藤の逆水平と近藤のショートレンジ・キングコングラリアットによるラリーが展開。打ち勝った近藤がロープに走ってこん身のキングコング弾を狙ったものの、丸藤はカウンターのフランケンシュタイナーをズバリ。キックアウトされた瞬間、流れるようにパーフェクトネックロックに持ち込んでギブアップを奪った。
丸藤46歳、近藤48歳になっても、色あせぬさすがの熱闘。18年越し雪辱を許さず、ナショナル王座2度目の防衛に成功した丸藤だが、試合後は近藤を最敬礼で称えて場内も拍手喝采に包まれた。
そして次期挑戦者は意外な男だった。丸藤セコンドに就いていた相棒・拳王がマイクを握るや、場内は大きくどよめいた。
「丸藤くん、防衛おめでとう。近藤相手に本当に熱くなるような試合を間近で見て、そして丸藤くんが防衛して、本当によかったと思うぞ」。
まずは、そう祝福した拳王だが、すかさず転調して“本題"の大演説を開始だ。
「最近、丸藤くんを間近で見てひとつ思うことがある。今日もナショナルのベルトを防衛した。防衛…丸藤くん、守ることしか考えてないよな? 守るだけのことしか考えてなかったら、そのベルト、まったく輝かないぞ。そして、プロレスリング・ノア、今まで守ってきてくれたのはウソ偽りもなく、丸藤正道、あなただ。だがな、守っているだけではプロレス界のトップには行けねえんだよ。守るだけじゃない。攻めないといけない。そのベルトも守るだけじゃなくて、もっと攻めろよ。おい、いいか、丸藤くん。ここ最近、なにかあなたが攻めましたか? 守るのみで数年前、練習生もいない、そして新人の試合も組まれないようなここプロレスリング・ノアで、あなたは会社の上のヤツらの顔色だけをうかがって、何もしてこなかった。だが、俺は動いたぞ。当時180以上しか取らない方針だった会社の意見を無視して、170以下の小田嶋をNOAHに入れた。おい、今、後楽園ホールの会場を見てみろ。平日にもかかわらず、ちびっ子の姿多いよな? あなたは何かしましたか? してませんよね。俺は自腹で小中招待した。あなたは何かしましたか? 見栄だけを切って、身銭は切らずに、守ることだけを考えて。プロレスリング・ノア、もっと上にいけるのか? そのナショナルのベルトをもっと輝かせられるのか?」
そう内情を辛らつに指摘しながら丸藤を断罪した拳王は、「丸藤…さん、次のナショナルの挑戦者は攻める…この俺、拳王だ。安定望めば進化なし! 次の挑戦者はそのベルトをメチャクチャに輝かせるこの俺、拳王だ」と挑戦表明。そのまま戦闘モードに切り替わって姿を消した。
残された丸藤も「守るに入ってるだ? 今日の試合見てよく言えるな。金を使ってるとか、自分にNOAHに入れたとか、承認欲求の塊か、お前。新人入れたならお前も道場来てちゃんと教えろ。見たことないぞ、拳王が教えているの。入れただけで満足してんじゃねえぞ」と反論。そのうえで「いいよ、いろんな勝負しようぜ。味方だと思っていたけど拳王、やっぱりお前は敵かもしれない…」と承諾し、赤いベルトを懸けた“丸拳"対決が決定的となった。
【丸藤の話】「近藤さん、やっぱり強いよ。強い、素晴らしいよ、最高。試合してても気持ちよかったし。メチャクチャ疲れたけど、あまりにもそのあとの拳王のマイクが長すぎて、見て回復しちゃった。どうしよう。拳王やろうよ、じゃあ。あ、ごめん。拳王さんだ。俺は全員にさん付けするって決めたんだ。本田圭佑さんみたいに。分かったか、拳王」
【拳王の話】「おい、丸藤くん。いや、丸藤さん。今日、近藤修司との試合、本当に凄かった。丸藤さん、最近、何か動いたか? ナショナルのベルトもずっと持って、ただただ挑戦者が来るの待ってるんだろ? それで何か輝かしいNOAHが生まれるのか? おい、丸藤さん、いいか。本当に今までNOAHを守ってきてくれたのは丸藤正道、あなただと思う。だが、見てみろ。一時期、攻めれば今のこのプロレス界の序列、変わってたかもしれないぞ。あの時、プロレス界の頂点にいるNOAHがもっともっと攻めてたら変わってたかもしれないぞ。その責任は俺は丸藤正道、あなたにあると思う。だからな、おい。もう、そろそろ世代交代だ。俺がな、会社の上のヤツらのいうことなんて無視して攻めてやるよ。これからどんどん攻めて、もっと面白いNOAHを作ってやる。そしてナショナルのベルトも全然輝かしくなってねえだろ。俺が持ってた時に戻してやるからな。おい、まる…次やる時はあなたはNOAHを守らなくても大丈夫にしてやるからな」

