昨年9月、母国ギリシャのメディア『Sport24』から「最もタフな対戦相手は?」と聞かれた当時ミルウォーキー・バックスのヤニス・アデトクンボは、悩みながらも「バム・アデバヨ(マイアミ・ヒート)だね」と返答。さらに“理想のスターター”についてこう語っていた。
「センターはバム・アデバヨだ。パワーフォワードはヤニス・アデトクンボ、スモールフォワードはケビン・デュラント(ヒューストン・ロケッツ)、シューティングガードはアンソニー・エドワーズ(ミネソタ・ティンバーウルブズ)...そしてポイントガードはルカ・ドンチッチ(ロサンゼルス・レイカーズ)かな」
それから約9か月後の現地時間6月22日(日本時間23日)、ヤニスはボビー・ポーティスとともに大型トレードでヒートへ移籍。新天地で “NBA屈指の好敵手”アデバヨとタッグを組むこととなった。
ヒートはヤニスとポーティスを獲得する見返りに、タイラー・ヒーロー、ケレル・ウェア、ハイメ・ハケスJr.、カスパラス・ヤクチョニス、ドラフト1巡目指名権3つ(今年の13位を含む)、指名権のスワップ権ひとつ、および2巡目指名権ひとつをバックスへ放出。
現状で、ヒートはアデバヨとデイビオン・ミッチェル、ニコラ・ヨビッチが契約下にいる一方、ノーマン・パウエルが完全FA(フリーエージェント)、アンドリュー・ウィギンズがプレーヤーオプション、ペル・ラーソンがチームオプションとなっており、ここからロスターを再構築していくことになる。
22日に『ESPN』の番組『GET UP』へ出演したイマン・シャンパート(元ニューヨーク・ニックスほか)は、万能ディフェンダーのアデバヨ(206cm・116kg)とヤニス(211cm・110kg)擁する新生ヒートについて、こう分析した。
「ディフェンス面の強みは明らかだ。彼らはスイッチが可能だし、どちらもブロックを狙う際の激しさも備わっている。つまり、誰がボールマンをマークしているかはそれほど重要じゃない。もう一方の選手がオフボールで自由に動き回って、ウィークサイドのヘルプに入ることができるからね」
続けてシャンパードはリバウンド面での強さも指摘する。
「リバウンド面で言えば、あの2人が同時にコートに立っていたら、対戦相手は『どうやってリバウンドを奪えばいいんだ? どうしたら彼らにオフェンシブ・リバウンドを許さずに済むんだ?』と頭を悩ませることになるだろう」 ビッグマンとしてはリーグ有数の守備力を誇るヤニスとアデバヨは、オールディフェンシブチームの常連で、勝利のために泥臭い仕事も厭わない献身性も兼ね備えている。
2人の機動力と守備範囲の広さを考えれば、味方のローテーションミスをカバーできる場面も少なくないだろう。
その一方で、チームの改善点についてシャンパ―トはこう話す。
「マイナス面、つまり弱点を挙げるとすれば、3ポイントだろう。オフェンスで、2人とも同じようなエリアでプレーしがちだ。彼らはダンカースポットを好み、15~18フィート(約4.6~5.5m)のエリアでプレーするのを好んでいる。アウトサイドには出たがらないんだ。
あとは、2人ともボールハンドリングをもう少し磨く必要があるし、パスの角度が悪くなる場面もあるだろう。もっと速攻で彼らを見てみたい。その方がエキサイティングだからね。でも、ハーフコート・オフェンスになると、シュート力がないと苦しい場面が出てくるだろう」
ヤニスを加えたヒートが来季成功を収めるためには、ロスターが健康体を維持することに加え、フロアを広げられるシューターと、2枚看板を活かせるプレーメーカーの補強が必須となりそうだ。
文●秋山裕之(フリーライター)
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