2026年のNBAドラフトは、ブリガムヤング大のAJ・ディバンツァが、全体1位指名権を持つワシントン・ウィザーズから指名を受けた。
近年のドラフトを振り返ると、23年はヴィクター・ウェンバンヤマ、24年はザカリー・リザシェイと、2年連続、母国フランスでプロキャリアを積んだ選手が全体1位指名を受けている。
一方、昨年はデューク大のクーパー・フラッグがトップ指名。それでも、1巡目ではカレッジを経由せずにエントリーした選手も3人おり、ノア・エセンゲ(ラティオファーム・ウルム/ドイツ)が12位でシカゴ・ブルズから、ヨアン・ベランジェ(セデビタ・オリンピア/スロベニア)が17位でミネソタ・ティンバーウルブズから、そしてノーラン・トラオレ(サン・カンタン/フランス)が19位でブルックリン・ネッツから指名を受けた。
近年のフランス人選手隆盛の流れとは対照的に、今年は1巡目で同国出身の選手の名前はなく、2巡目57位でアトランタ・ホークスから指名を受けた、21歳のセンター、ナルシス・ンゴイただ1人だった。
19歳の時にフランスリーグでプロデビューを果たしたンゴイは、代表チームでも将来を嘱望されているビッグマン。U20の欧州選手権で優勝したフランスチームの一員であり、来季はNCAAのオーバーン大入りが決まっている。指名直後にロサンゼルス・クリッパーズへトレードされたため、まずはオーバーン大でプレーし、その後NBA入りを目指すことになる。
欧州出身の選手では、1巡目12位でアダイ・マラ(スペイン/オクラホマシティ・サンダー)、14位でハネス・スタインベック(ドイツ/シャーロット・ホーネッツ)、25位でセルヒオ・デ・ラレア(スペイン/ロサンゼルス・レイカーズ→ダラス・マーベリックス)の3人が指名を受けた。ただ、マラはミシガン大、スタインベックはワシントン大と、NCAAを経てNBAに挑戦している。
父もドイツリーグで活躍したバスケ選手だったスタインベックは、地元クラブのヴュルツブルクで1年プレーしたのち、アメリカの大学へ進学した。ヴュルツブルクでは、31試合で平均7.2点、5.8リバウンド、プレーオフの10試合では平均27分間で14.8点、10.8リバウンドの好成績を残した。
ワシントン大でも平均18.5点に11.8リバウンド、フィールドゴール成功率57%を誇り、30試合中22試合でダブルダブルを記録している。身長211cmとサイズもあり、リバウンド力は優秀なスコアラーが揃うホーネッツで重宝されそうだ。
スペイン出身のマラも父親が元プロバスケ選手で、16歳の時に地元のサラゴサでデビューしたのち、23年にUCLAに進学。ミシガン大に転校した昨季は、40試合で平均12.1点、6.8リバウンドをマークした。 マラはミシガン大でのシーズン最初の2試合で計30得点以上、25リバウンド以上、10ブロック以上、5アシスト以上を記録。スペインの『マルカ』紙が報じたOptaのスタッツによれば、開幕後の2戦でこの数字を達成したのは、NCAAのディビジョン1はもとよりNBAの世界でも、サンアントニオ・スパーズのレジェンド、ティム・ダンカン(2003-04シーズン)ただ1人しかいないという。
点も取れるリムプロテクターが、王座奪還を目指すサンダーでどんな活躍を見せてくれるのか楽しみだ。
そしてデ・ラレアは、ウェンバンヤマやリザシェイ同様、自国リーグでプロとしてプレーした後にドラフト指名を勝ち取った。ゲームメークと得点力を兼ね備えたスペインらしいガードだ。本人はアメリカ出身で22年にスペインに帰化した、ロレンツォ・ブラウンを目標の選手に挙げている。
両親ともにバスケ選手だった彼もNCAAからの誘いを受けたが、それを断り、バレンシア・バスケットで研鑽を積むことを選んだ。地元紙とのインタビューで、その理由を次のように語っている。
「ここ(バレンシア)には素晴らしい施設と優秀なスタッフが揃っているので、自分が頭に思い描いていることを実現するために、アメリカへ行く必要はないと感じています」
多くの欧州出身選手がNCAAを経由する流れのなか、デ・ラレアはあえてその道を選ばなかった。育成環境を信じ、自国に残る決断がNBAでどのような結果につながるのか。マラやスタインベックとともに、その歩みを見守っていきたい。
文●小川由紀子
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