企画プロデュース・大森時生(テレビ東京)✕酒井善三監督のタッグでおくる恐怖映画『遺愛』が現在公開中。
母親の介護をひとりで背負う娘を主人公に、“呪い”というものを新たな視点と解釈で描く本作。父の死を機に実家へ舞い戻った佳奈(山下リオ)は、認知症の母の介護を始めるが、次第に周囲で異変が起こり、違和感を覚えるようになる。佳奈と母は呪われているのか、それとも“何か”を呪ってしまったのだろうか? 独占入手した、異変をめぐる調査資料をご紹介する。(第4回/全4回)
前回の記事:母の抜け殻から“何か”を追い出す儀式――母娘の介護生活描く『遺愛』“呪い”と異変をめぐる調査資料(3)
母と娘の苦悩の痕跡、切り抜かれた家族写真
母の抜け殻の中に入り込んだ“何か”を追い出すため、佳奈が行った儀式。しかしそれが事態を好転させることはなかった。佳奈の周囲で不幸な出来事が立て続けに起こり、彼女は“何か”の影響が外へと広がっていることを確信する。
佳奈は、母と実家を取り巻く状況を自力で解決すべく、様々な考察をノートに書き留めていった。こちらの写真がそのノートを写したものだ。「母の中に 式神 の可能性」「祓えない、本来力のある宿主との関係」「呪いの実行・完了のみ」。そして、最後に書かれているのはこの文章である――「人形 共同作業」「呪いは一組で恨み妬みあった」。
また、こちらの写真には、母親が書いた手紙のようなものが写っている。「カナ アンリ わたしの宝もの」「ふたりの おもにになりたくない」「わたしからトオざけて」「オトウサン」。二人の娘を想い、気遣っている様子だが、これは“何か”に身体を乗っ取られ始めた恐怖から来るものなのか、それとも……。無惨に破り捨てられた写真の残骸が、手紙の意図の謎を深めている。
こちらの映像には、先程の手紙と家族写真が映っている。不気味なのは、家族写真のなかでひとり、不自然に顔がくり抜かれていることだ。狂気に取り憑かれた姉・佳奈の妄想か、それとも母の形をした怪異による実害か。愛という名の呪いが迎える終着点は、映画本編で明かされている。
『遺愛』公開中
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