
【三浦泰年の情熱地泰】充実の選手層で掴んだ2位通過。ブラジル撃破で「僕のW杯を終わらせてくれ!」
目標を優勝と掲げるのであれば1位通過が目標ではない。
オランダ、スウェーデンがいるグループで2位通過。
そしてワールドカップ決勝トーナメント1回戦を、僕にとってはあまりにも縁が深く、優勝候補に挙げなければならないブラジル代表との戦いとなった。
過去、ワールドカップで4試合目に勝利したことのない日本代表が、次戦は大一番を迎える。
まずはスウェーデン戦を振り返らなければならない。
この試合では、ボランチの佐野海舟が不在だった。ダブルボランチには鎌田大地、田中碧。組み合わせとしては、今大会3パターン目のダブルボランチとなった。
相手ボールへの圧力、プレスとプレスバック、囲い込みでの守備は勝利するための絶対条件。もちろん2人は限界まで頑張ったが、失点シーンでは寄せきれずにミドルシュートでネットを揺らされた。
タラレバだが、佐野がボランチで先発していたら、果たして、このスウェーデン戦に勝ち切れたであろうか?
長いボールを多用する相手だったため、プレスバックでの消耗はかなりの負荷があったと思うが…。
守備陣もアクシデントからなのか、板倉滉と谷口彰悟が途中交代。冨安健洋ではなく、瀬古歩夢の先発も勇気のある采配であった。
僕には選手の細かいコンディションの情報がある訳ではないので分からないが、大会前の怪我で離脱した選手などを考えても、まさに森保一監督体制の下での充実した選手層で勝ち取った勝点5の2位通過であった。
スウェーデン戦は立ち上がりの10分を見て互角の勝負に感じた。
前半はスコアレス。1番イライラする展開。どちらが勝っても負けても分けてもおかしくない内容に見えた。
サッカーとは残念ながら、こういう拮抗した試合展開をどう終わらせられたかで、そのチームの立ち位置が決まる。結果、引き分けが日本代表の力なのだ。
というのは、サッカーには華麗な美しいエレガントなシーンが多く出る試合と、分析・戦術・システム、今回で言えばミラーゲームの中での駆け引き。ホワイトボードでの卓上の論理を頭に入れながらプレーする時間が長い試合がある。
前半の流れはスウェーデンにあった。彼らは決勝トーナメントに出場するためのプランを立ち上がりから忠実にやってきた。
後半はスコアも動いたが、前田大然の先制点のあと、10分以内に追いつかれるというサッカーの世界ではあまり良くない展開。予想通り、小川航基と伊東純也の2人を投入して、攻撃のスイッチを入れてほしかったが…。
最後は追い込まれつつもGK鈴木の守備範囲の広さが光り、1-1で引き分けた。
終盤の監督采配は、自分が考えた交代策とは違った。僕ならボール回収率の高い佐野を入れて、マイボールの時間を増やしてラスト勝負をかける。ウィングバックには個で勝負ができ、決定力もある堂安や中村敬斗を残してもよかったかもしれない。最後は、そんなフォーメーションで得点を狙いにいってほしかったが、森保監督にも決勝トーナメントを見据えたプランがあるのだろう。
そしてブラジル戦だ。試合後、監督、選手は丁寧にブラジル戦に向けてコメントを残してくれた。
正直、中3日の今日の仕事ではない。今夜はゆっくり休んで身体と頭、心を休めてからもう一度、ブラジル戦に向けてのスイッチを入れ直してほしい。
ブラジルが強いのは分かっている。
試合終了直後、ブラジル、サンパウロでお世話になる日系ブラジルの知人から電話が鳴った。
昔なら笑いながらブラジルはラッキーだよ! 日本がブラジルに勝てる訳がない…だっただろう。
しかし今回は違う。「日本も強い、ブラジルも油断したらやられるよ~」だった。
終わったばかりの今、コラムを書くのもしんどい…。僕も少し落ち着いてから振り返る必要がある。
ただ間違いなく、日本はここからが本番とも言える“決勝トーナメント”に繋がる3試合をこなした。
そうして望むブラジル戦は何が起こるか分からない。
今まで78年アルゼンチン大会の生放送をBSで見てから、「僕のワールドカップはブラジル敗退で終わる」とずっと言ってきた。
それはワールドカップが見るものだった時代から、自分たちで出場できるようになっても、常連国として出場できるようになっても、だ。
その意味とは、僕にとってワールドカップは日本代表を応援する大会である一方で、世界のサッカーの流れをブラジルが作り出す大会ということ。だから、サッカーを進歩させるブラジルは負けてはいけないと思っていた。
その両国がここで対戦する。
僕のワールドカップを終わらせてくれ! そして“応援する”ワールドカップに集中させてほしい。
そして日本代表が、サッカーを通して人々に幸せを与えている。
本当に凄いワールドカップになっている。
ありがとう日本代表、おめでとう日本代表ファミリー。
2026年6月26日
三浦泰年
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