北中米ワールドカップのグループステージ最終節で、日本代表はスウェーデン代表と1-1で引き分け、グループFを2位で通過。決勝トーナメント1回戦では、グループC首位のブラジル代表と対戦することが決定している。
引き分け以上でグループ突破が決まる日本は、序盤から主導権を握ってテンポ良くボールを動かし、何度か決定機を演出。56分には堂安律の絶妙なスルーパスで前田大然が抜け出し、冷静なフィニッシュで先制したが、その6分後にアンソニー・エランガの強烈なミドルシュートで追いつかれる。終盤は攻め込まれる時間帯が長かったが、GK鈴木彩艶の好セーブも光り、勝点1を積み上げた。
海外メディアの報道を見ると、英国の日刊紙『The Guardian』は、この一戦を「両チームにとって理想的な結果となった」と評しつつ、「日本はグループ2位となり、ヒューストンでブラジルと対戦する。その組み合わせは、大会のこの段階で実現するにはあまりにも魅力的なカードだ」と紹介。さらに、「昨年10月には東京で、カルロ・アンチェロッティ率いるブラジルを3-2で破っており、日本は再び勝てると信じている」と伝えた。
また同紙は、森保一監督がブラジルとの再戦について、「これは日本サッカーの成長の証だ。もちろん、ブラジルは完璧なチームだが、我々は勝てるチャンスがあると信じている。ブラジルに対して、決して簡単な相手ではないことを示せたのは大きな前進だ」と自信を口にしたことを紹介している。
フランスのスポーツ専門放送局『RMC SPORT』は、日本の先制点を絶賛。「日本による、まさに芸術作品。三角形を描くような華麗なパス交換で相手を翻弄し、最後は前田が背後へ抜け出してスウェーデンGKを沈めた」と表現し、流れるような連係を高く評価した。
続いてスペインのスポーツ紙『MARCA』は、「スウェーデンは、日本をブラジル戦へ導く引き分けを受け入れた」との見出しを打ち、「前半は退屈だったが、後半は一転して日本が主導権を握る中で、前田とエランガが得点。1-1になると、両チームとも無理をせず。日本は2位、スウェーデンは3位として突破する形が、双方にとって悪くない状況となった」と分析した。
さらに同紙は、「日本の中盤は、田中碧、鎌田大地ら、欧州仕込みの選手たちが力強さを見せた」と評価。「鈴木は終盤にスウェーデンの決定機を阻止し、その結果としてスウェーデンを、ブラジル戦から“救った”とも言える」と皮肉をまじえながら、日本が「直近16試合でわずか1敗」という好調ぶりを維持したことにも触れ、「カルレット(アンチェロッティ)とヴィニシウス・ジュニオールを擁するブラジルは、非常に手強い相手だ」と指摘している。
スポーツ専門チャンネル『ESPN』は、日本がグループ首位を逃したことに触れながら、「もし日本が本気でW杯優勝を夢見ているのなら、ブラジル戦こそが最大の試練になる」と強調。それでも、「日本は大会を通して、『誰にでも勝てる力がある』と語り続けてきた。その真価を証明する最高の舞台が、史上最多5度の優勝を誇るブラジルとの対戦だ」と期待を寄せた。
同メディアはさらに、日本サッカーとブラジルとの深い関係にも言及。「1991年にジーコが日本へ渡って以降、日本サッカーはブラジルの影響を受けながら発展してきた」とした紹介した上で、「現在の日本は、強豪相手でもボールを支配し、美しさと大胆さを兼ね備えたサッカーを披露している。前田のゴールは、堂安と上田綺世の見事なワンツーから生まれた象徴的な得点だった」と称賛。「恐れずブラジルに挑めば、今大会屈指の好カードになる」と結んでいる。
次の対戦国となるブラジルでも、日本への警戒感は高まっている。同国の総合サイト『Globo』は、「組織力があり、スピードと自信を兼ね備えた日本が、ブラジルの相手となる」と報道。「森保監督の下で8年間積み上げてきた完成度の高いチームで、オランダ戦で2-2、チュニジア戦で4-0、スウェーデン戦で1-1と、無敗で勝ち上がった」と紹介した。
「堂安、前田、上田の3人による美しい連係から先制点が生まれた一方、終盤はスウェーデンの圧力に苦しんだ」と振り返った同メディアは、6月29日の対戦に向けて「久保建英が、ブラジル戦で復帰する可能性がある」と報道。また、過去4度挑戦してきた決勝トーナメント1回戦で一度も勝利できていない日本が、「W杯で初めてノックアウトステージを突破する、歴史的な一歩を懸けてブラジルに挑む」と綴っている。
日本代表が示す「自信」にも同メディアは注目しており、前田の「難しい試合になると思うが、自分たちのサッカーができれば、ブラジルにも勝てる。これまで積み上げてきたものを発揮できれば、勝利は可能だ」、長友佑都の「ブラジルは非常に強いが、我々は勝てると信じてピッチに立たなければならない」とのコメントが、記事では紹介された。
一方で、長友はグループステージ最終節(スコットランド戦)でようやく復帰を果たしたネイマールに言及し、「世界最高レベルの選手なので最大限の警戒が必要だが、注意すべきなのは彼だけではなく、ブラジル代表全体だ。今大会の彼らは、最高のサッカーを見せると思う」と指摘している。
ネイマールについては、日刊紙『Lance!』が、「日本は、ネイマールがブラジル代表で最も多く得点を奪ってきた相手である」と紹介。「ブラジルの至宝」が代表で挙げた79ゴールのうち、9点が日本戦で記録しており、2014年の親善試合(4-0)ではチームの全得点をひとりで挙げたこともあると回顧して、彼が日本にとっての「天敵」であることを強調し。次の対戦を「ネイマールにとっては相性抜群の相手との再戦」と位置づけるも、「日本にとってはW杯史上初のベスト16突破を懸けた歴史的な挑戦になる」として、大きな注目を寄せた。
構成●THE DIGEST編集部
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