先日、フランス・パリ在住の友人EさんからLINEが送られてきた。1週間のパリの最高気温のデータだった。月曜37度、火曜38度、水曜39度、木曜38度、金曜33度…。連日40度に届きそうで、猛烈に暑いようだ。
「50年以上パリにいて、こんな気温が続くのは初めて。2003年のあの異常な夏だって、ここまで上がってなかった」
Eさんはうんざりしている様子だが、さすがにこの異常な暑さはニュースになり、ワインで知られるボルドーでは41.9度まで上がったというから、どうなっているのか。とにかくフランスはひどい状態だ。
ここでふと思い出したのは、Eさんが飼っている猫のこと。いったい、どうしているだろうか…。
と同時に、我が家の3匹の猫のことも考えた。東京はまだ20度台だが、湿気があって蒸し蒸しした日が続いている。パリの猫に比べたら過ごすには楽だと思うが、それでも暑くて身の置きどころがないのか、我が家の猫は家の中で移動しながら、ゴロゴロしている。それも三匹三様なのが興味深い。
3匹のうち、いちばん上の猫は体重10キロ超。春先までは、夜には連れ合いのベッドの横にやってきて、枕に頭を乗せて寝ていることが多かった。
ところが朝方に見に行くと、ベッドに姿が見えない。探したら、和室の奥の暗いスペースでグッタリしている。そこはひんやりしていた。
また別の日に探したら玄関のマットに丸まって、動こうとしない。今はそこらが居心地のいい場所であり、猫なりの暑さ対策でもあるのだろう。
暑さに強いのは東京の猫よりパリの猫か
ところがこれと180度、異なるのが真ん中の猫だ。不思議なことに、暑い場所に移動しようとするのだから。
家は3階建てで3階にはエアコンがないし、屋根からの熱気が伝わり、空気が温まって蒸し風呂のような暑さだが、どういうわけか、そこの平机の下や奥のスペースで横になっている。
「お前、暑くないのか」
思わず口をついて出てくる。でもヘッチャラのようだ。
いちばん下の猫は上の2匹とはまた違うのだが、これまた暑さを気にしないのだ。で、どこにいるかというと、飼い主にまとわりついて、片時も離れようとしない。
寝ている時などはベッド横のクッションでジッとして、こちらを見ている。起きないと「早く起きて」とミーミーと鳴くことが多い。
仕事中はデスクの後ろにある箱の上で、安心し切った様子で寝ている。暑さも寒さも関係がなく、飼い主のそばが最も快適ということらしい。
そう考えながら、またEさんの猫のことを思ってしまった。パリの一般家庭にはほとんどエアコンがついていないが、
「まだ娘のガレージに預けてある扇風機を持ってきてないけど、(建物自体が温まっていないから)なくても平気なくらい」(Eさん)
きっと猫も大丈夫なのだろう。もし扇風機が回り出したら、風に当たって涼むのではないか。
パリの猫の方が、東京の猫より暑さには強いのかも。
(峯田淳/コラムニスト)

