「ティーショットはティーアップしてもいい」というルールにはさまざまな理由があるが「ティーがなかったらゴルフは、難しさ倍増、おもしろさは半減してしまうでしょうね」というマスター今野が“ ティー” のウンチクを誕生した歴史から語る。
圧巻のビッグドライブは〝ティー〞のおかげ!

ヒデ スナッグゴルフって、パット以外は全部ティーアップするんでしょ?
今野(マスター)ランチャーというアイアンのようなクラブを使うときは、つねにランチパットというものにボールを乗せて打ちます。
ヒデ 普通のゴルフもそうだったら楽なのに、なぜそうならなかったのかなぁ。
今野 普通のゴルフは基本「あるがまま」ですから(笑)
ヒデ じゃあ、なんでティーイングエリアだけティーアップするの?
今野 難しくなって、おもしろくもなくなるからですよ。
ヒデ ティーアップしなかったら飛ばせないよね。ミートするのさえ難しい。
今野 18世紀のころから今と同じくドライバーはありましたが、飛ばすために砂を山型に盛って、その上にボールを置いて打っていました。
ヒデ ラグビーも昔そうだったよね。
今野 あれもゴルフのティーアップと同じ理由です。高く遠くへ飛ぶようにセットする。砂山ティーでのティーショットは私も経験したことがありますが、ボールがなかなかうまく乗らないし、砂の抵抗がかかるのでバンカーみたいにインパクトが重くてすごく変な感じでした。
ヒデ そんなこんなで今のティーに進化してきたのか。
今野 砂ティーの時代は結構長く続いたらしいですよ。19世紀末になって、やっと今のティーの原型となるものができて、鉄やゴムだったのが20世紀初頭に木製ティーが普及しました。
ヒデ 100年前くらいって意外と最近のことだね。
今野 それ以上前から「公平にする」ということでも、ティーショットではティーアップがOKとなりましたが、これも難しさを解消するにつながっていきます。
ヒデ 公平になって、さらには難しくもなくなるってどういうこと?
今野 ティーアップすると地面のデコボコに左右されず、誰もが同じ条件で打てますよね。ノーティーで打ったら芝がどんどん削れていって、遅いスタートの組は不利になります。
ヒデ そりゃ大変だ!試合や競技ではかなりのハンディキャップが生じるね。
今野 ティーアップは、有利にするための特権ではなく、スタートを公平にするための救済的なルールですね。
ヒデ ティーアップしないと、おもしろくないっていうのは?
今野 飛ばしって、打つのも見るのもゴルフの醍醐味ですよね。エンターテインメント性が強いからドラコンって競技やアトラクションがあるわけで。
ヒデ マスターズもどんだけ飛ばすのか、が見どころのひとつだった。
今野 「ヘッドを大きく、長くして、ロフトを立てた」飛ぶクラブを「アッパーブローで打って、スピンを減らして、高く打ち上げて」飛ばす。それをティーが叶えているんです。
ヒデ たしかにティーアップできないルールだったら、おもしろさ激減だね。
今野 正しくは「ティーペグ」といいますが、この「ティー」からティーイングエリアやレギュラーティー、レディスティー、ティーオフなどさまざまゴルフ用語が生まれてくるので、ティーが作られた功績ってすごいですよね。
ティーは「縁(ボール)の下」の力持ち!

今では300 ヤードを超えるのが当たり前となったPGA の選手の豪快なドライバーショットも、ボールを下から持ち上げている“ティー”という存在があってのこと。
「ティーアップしたらティーに感謝。“ 打ちやすくしてくれている” というありがたみを感じて打ってください。ティーアップにかぎらずですが、その特性を理解していると恩恵を受けやすくなるのでナイスショットが増えますよ」(今野)
いかがでしたか? 次回の開眼トークをお楽しみに!

マスター今野一哉
●こんの・かずや/1982年生まれ。本企画「スナックこんちゃん」のマスター兼ゴルフのプロコーチ。RainbowFM(88.5MHz)の「サタマニ♪」(第2土曜 15:00-16:00オンエア)で、ラジオパーソナリティも務める。キッズゴルフクラブ代表。
写真=鹿野貴司
イラスト=野村タケオ
協力=LaFace

