秋元康総合プロデュースのアイドルグループ22/7(ナナブンノニジュウニ、通称「ナナニジ」)。昨年12月に加入をした3期生8人が歴代の先輩たち同様に1月から計6回に渡りSHIBUYA PLEASURE PLEASUREにて定期公演を行った。そして、6月25日、これまでの会場を飛び出してヒューリックホール東京にてファイナルを迎えた。
22/7の楽曲を3期生8人でセルフカバーするプロジェクト22/7_the 3rd(ナナブンノニジュウニザ・サード)としても活動する彼女たち。
これまでにリリースしたセルフカバー楽曲3曲に加え、新たにセルフカバーされた2曲をサプライズ披露。ブロック毎の構成に合わせ歴代の3衣装を身に纏う演出、2人のメンバーの個性溢れるソロコーナー、これまでの計6回の定期公演で2人ずつ披露していた朗読劇を初の8人全員で作り上げるなど盛りだくさんの内容。
オーディションから全7回の定期公演を通しての確かな成長を感じさせた一夜の模様をレポートする。
1月から始まった定期公演のファイナルを8人と共に迎える瞬間を今か今かと待ち望むフロアの熱。暗転と共にブザーが鳴り、青くステージを映し出すサーチライトと『Overture』が夢の一夜の始まりを告げる。登場した8人は白いアシメントリーなシャツにトラッドなネクタイが象徴的な装いで、まさにその衣装でМVが撮影された『叫ぶしかない青春』を披露。青春の苦しさを歌に、ダンスに昇華して届ける8人の全身全霊のパフォーマンスに引き込まれていく。そうして始まった最初のブロックでは、4月に開催されたライブ「15」で先輩たちと披露した『覚醒』や『地下鉄抵抗主義』、また『僕らの環境』といった、戦いに向かう強い覚悟を感じさせる楽曲群で一気に会場を沸き立たせた。
3期生にとっては、オーディション中だった昨年8月に初めて先輩たちのライブを観た思い出深い会場だ。だが、デビューから半年で、これまでの定期公演から3倍近いキャパシティを持つステージに8人だけで立つことへのプレッシャーも想像に難くない。緊張をうかがわせながらも、全席完売という喜びと、自分たちのことを信じてくれたファンへの感謝に顔をほころばせながら「3期生の集大成を最後まで楽しんでほしい」と意気込むのだった。
黒崎ありすによるソロコーナーは、凛々しい袴姿で準師範という腕前をいかんなく発揮した書道パフォーマンス。「誰かにわかってもらえなくてもいい。それでも私はこのやり方で自分を信じてみたかった」――。眼前にそびえ立つ壁のような大きな半紙に筆一本で立ち向かい、降りかかる墨汁にもひるまず『春雷の頃』をイメージした書を描きあげていく。ありすの世界へと誘う優しい歌声と共に、迷いながらも立ち上がっていく一人の表現者の姿が眩しく目に焼き付いた。
【写真】6月25日、これまでの会場を飛び出してヒューリックホール東京にてファイナルを迎えた秋元康総合プロデュースのアイドルグループ22/722/7_the 3rdとして最初にセルフカバーされた楽曲『命の続き』の装いへと変わり、『Rain of lies』、『人格崩壊』、そして定期公演を通して磨き上げてきた楽曲の1つである『嫌われるということ』と葛藤に心揺さぶられながらも己の強度を上げていくような楽曲が続く。『命の続き』では「もっと生きたい」と激しく乱れながらも、決して失われることのない高潔さに胸が熱くなる。
2人1組のペアで臨んできた朗読劇も、ファイナルは8人で披露。これまでの登場人物たちのその後を順々に語ることで、まるで一つの世界を点描で繋ぐかのように作り上げた。幼気な少年少女のみならず、折本美玲が演じる先生「アベセン」の登場にも湧く。
一番最初のМCの時点ですでに決壊状態だった南伊織だが、「オーディションを受けていなかったら8人は出会っていなかったんだろうな」という三雲遥加が話していたという言葉を重ねて涙もろくなってしまったと語るのも納得のエモーショナルな演出だった。
そしてそんな物語の主題歌のような『あちこちに残された走り書きの意味』。オーディション時に秋元康氏が書き下ろした3期生にとって大切な曲だ。演じるように踊る8人の姿は夕陽が色濃く映える放課後の校舎へと導き、儚く過ぎていく青春を確かなものとしてステージに刻む。その背中には、「22/7」のロゴが受け継がれてきた思いと共に誇り高くたなびいていた。
MCを挟み、次は第二弾としてセルフカバーされた『未来があるから』の装いに。
北原実咲がオーディション当時の自分自身をあらわすかのような曲として思い入れを持った『とんぼの気持ち』は、三次審査で歌唱した際の「もしオーディションに受かってメンバーになったら、そのときは少し違う表現の仕方で歌いたい」という思いは、今や1人ではなく全員のものだった。ぶつかりながらも前に飛ぶことをやめないとんぼがたくましく、美しい。
8人の中で最後にソロコーナーを務めたのは、桧山依子。「ファンだった」という言葉では片付けられないほど、生きるためのよすがだったナナニジへの思いを切々と語る独白。夢を掴もうと、高く高く伸ばす腕。降り注ぐ白いスポットが、その勇姿をそっと背中から抱きしめるように見えた。「今、イヤホンからは私の歌声が聞こえる。まだまだ未熟だし、歌もダンスも全然上手じゃないけれど、私は私の色を大切に胸を張ってここに存在していたい」。ナナニジのデビュー曲『僕は存在していなかった』をアカペラで歌い始め、苦手だったダンスも夢中で踊る姿が胸を焦がす。
さらに桧山は、初期のナナニジを象徴したメンバーのパートを引き継ぎ『ムズイ』のセンターを見事につとめあげる。そして3期生のセルフカバーバージョンでの『未来があるから』のイントロに乗せ、北原が熱いメッセージを届ける。「みなさん、今日は私たちにこんな素敵な景色を見せてくださり、本当にありがとうございます。私たちも、みなさんと一緒にもっともっと大きな景色を見ていきたいです。まだまだ走り続けます。未来があるから。」南伊織と桧山依子が反りぎみに放つ咆哮は天井を突き破り、いつかもっともっと広い世界に轟くだろう。それを押し上げようとするファンの思いも『理解者』の熱いコールから伝わってくる。そんなラストスパートの果てにたどり着いた本編ラストナンバーは、なんと初披露の『風は吹いてるか?』。しかもスタンドマイクを用いて、8人のハーモニーを全面に押し出したアレンジがされている。それぞれの個性を感じるソロフレーズはさることながら、ユニゾンしたときの声質の違いが生み出す求心力や、はたまた8人のハーモニーの奇跡のような美しさ…さらには突風のように前に踊りだした三雲遥加のソロダンス。めくるめく感動の中、ナナニジの新たな章のページが力強くめくられていくことを実感した。
サプライズは終わらない。アンコールで『願いの眼差し』のセルフカバーが初披露されたのだ。お互いにアイコンタクトをかわしながら歌う様子も微笑ましかったのだが、まさかの客席降りでファンともまなざしで結び合うという特別なひとときとなった。客席降りは橘茉奈の念願だったが、楽しみすぎてしまって所定の時間にステージに戻れなかったことを反省する場面も笑いを呼んだ。こうして次々と成長を感じさせるパフォーマンスを見せ、未来へとひた走る8人をただただ追いかける『韋駄天娘』。サプライズ大成功という満足そうな笑みを浮かべたメンバーたちは、ライブ後に『願いの眼差し』の音源が配信されることを伝え「ぜひ、今日の余韻に浸りながら聴いてほしい」と願う。
3期生が披露する楽曲数は定期公演の初回から倍近く増えた。一人ひとりの挨拶からも「ナナニジとして認めてもらいたい」という思いが、そして、その努力に応えるファンの思いが8人をここまで連れてきたことが感じられる。代表して、吉沢珠璃の言葉を残したい。「今日、このヒューリックホール東京に来てくださったたくさんのファンの方々が『3期生の定期公演ファイナルに行ったんだよ』と自慢できるような存在になりたいと思っています。これで終わりではなく、まだまだ次のステップに8人で進んでいきたいなと思っていますので、これからも応援してくださると嬉しいです!」
定期公演のラストナンバーは、先輩たちの時代から変わらず『循環バス』。笑いも涙も乗せて微笑みあう同期生たちの絆に、虹が掛かった。
文責:キツカワトモ
写真提供:ソニー・ミュージックレーベルズ

