不振が続く男子テニス元世界ランキング3位の27歳ステファノス・チチパス(ギリシャ/現88位)が、本日6月29日に開幕する今季3つ目のテニス四大大会「ウインブルドン」(イギリス・ロンドン/芝コート)の大会前記者会見で、長年自身のコーチを務めてきた父親のアポストロス氏とのタッグを正式に解消したことを発表した。
既報の通り両者は2024年に1度決別。その後チチパスは昨年6月にノバク・ジョコビッチ(セルビア/元1位/現8位)の元コーチであるゴラン・イバニセビッチ氏(クロアチア)を招聘したものの、わずか1カ月半で契約を解消。直後には再びアポストロス氏をチームに戻し、親子でツアーを戦ってきた。
しかし以降もチチパスの成績は低迷の一途をたどり、21年8月に3位を記録したランキングも現在は88位。トップ100陥落も現実味を帯びる中、自身のキャリアを立て直すため、変化を加える決断を下したという。
会見で27歳は父への感謝を繰り返し口にしながらも、「もう父と一緒に仕事をすることはない」と語り、今回は“完全な離別”になると強調。今後は過去にセレナ・ウイリアムズ(アメリカ/元1位)や大坂なおみ(元1位/現14位)ら複数の元世界女王を指導した名将パトリック・ムラトグル氏(フランス/56歳)のアカデミーで、パフォーマンスコーチを務めるトマ・ペラン氏(フランス/34歳)を迎え、ムラトグル氏もチームをサポートするという。
その上でチチパスは今回の決断に至った経緯を説明。以前報じられた“親子関係の悪化”によるものではなく、あくまでも競技者として前に進むための選択であることを強調した。
「長年一緒にツアーを回ってきたから本当に難しい決断だったが、年齢を重ねるにつれて、若い頃のように父と安定した関係を築くことが難しくなっていると感じていた。父には父に必要なものがあり、僕にも僕に必要なものがある。日々一緒に仕事をする中でそういった空気感があった」
「それに今の僕は、全く新しいものを求めている。最近は父がそばにいることで安心感はあったものの、それでは次のステップへ進み、新たな挑戦をするための答えにはならないと感じていた。もちろん父のことは心から愛しているが、今は自分にとって何がベストなのかを考え、自分の意志で進んでいきたい」
アポストロス氏や、元テニス選手で母親のユリア・サルニコワ氏ら家族に支えられながらキャリアを築いてきたチチパス。それだけに今回の決断は“大きな転機”と言えるだろう。新体制で巻き返しを図る27歳が再起のきっかけをつかめるか。その第一歩となる聖地ウインブルドンでの戦いに注目が集まる。
文●中村光佑
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