女子テニス元世界ランキング10位の23歳エマ・ラドゥカヌ(イギリス/現33位)が、本日6月29日に開幕する今季3つ目の四大大会「ウインブルドン」(イギリス・ロンドン/芝コート)を負傷により欠場することを発表した。大会前日の記者会見では出場への意欲を示していたが、その数時間後に一転して無念の決断を下した。
1回戦でアントニア・ルジッチ(クロアチア/同61位)と対戦予定だったラドゥカヌは、28日にインスタグラム(@emmaraducanu)のストーリーズ(24時間で自動消去される投稿)を更新し、欠場の理由について「右足下部の疲労骨折」によるものと説明。芝コートシーズンに入る前から同箇所に痛みを抱えており、状態を見ながらプレーを続けていたという。
「こんなことをお伝えしなければならないのは信じられませんが、残念ながら2026年のウインブルドンを欠場することになりました。明日の試合に向けてできる限りのことをしてきましたが、最終検査の結果、これまでは違和感に留まっていたものが疲労骨折に進行していることがわかりました。医師からは、このケガを抱えたままプレーを続けるべきではないと言われています」
そう無念の思いを綴った23歳は、地元ファンの前でプレーできない悔しさも吐露している。
「ウインブルドンで、地元ファンの前でプレーすることは、私にとって何よりも大切なことです。だからこそ、今回の欠場は本当に受け入れがたいものです。皆さんの応援と励ましのメッセージに心から感謝しています。こういう時にこそ、そうした温かい声が本当に大きな意味を持ちます。またすぐに皆さんに会えることを楽しみにしています」
ラドゥカヌは21年の全米オープンで予選から全試合ストレート勝ちを収めて四大大会シングルス初優勝を達成し、一躍女子テニス界のスターとなった。しかし、その後は度重なる故障やコンディション不良に苦しんでおり、安定してツアーを戦い抜くことができないシーズンが続いている。
それでも今季は2月の「トランシルバニア・オープン」(室内ハードコート/WTA250)、今月初めの「HSBC選手権」(芝/WTA500)で共に準優勝を飾るなど、復調の兆しを見せていた。しかし、ウインブルドン開幕直前には練習を開始からわずか10分ほどで切り上げ、会場を後にする際には足を引きずる様子も目撃されていた。
ニューヨークで世界を驚かせたラドゥカヌの才能に疑いの余地はない。だからこそ、思い描いていたようなキャリアを歩めていない現状はあまりにも惜しい。母国開催かつ“テニスの聖地”とも称されるウインブルドンの欠場は、彼女にとってまたも大きな挫折となったが、まずは焦らず回復に専念し、再び万全の状態でコートに戻ってくることを願いたい。
文●中村光佑
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