ボストン・セルティックスは、マイアミ・ヒートへのトレードが内定したヤニス・アデトクンボ(現ミルウォーキー・バックス)の獲得を狙っていたとされる。チームの第2オプションであるジェイレン・ブラウンは今回の交渉材料として含まれていたと言われており、その影響をギルバート・アリナス(元ワシントン・ウィザーズほか)は指摘している。
昨季のセルティックスは56勝26敗(勝率68.3%)でイースタン・カンファレンスの第2シードを獲得したが、右足アキレス腱断裂を負っていたエースのジェイソン・テイタムが実戦復帰したのは今年3月7日(日本時間8日)。シーズンの実質的な柱は、テイタムとともに2枚看板を担ってきたブラウンだった。
昨季は71試合に出場して自己ベストの平均28.7点、6.9リバウンド、5.1アシストをマーク。4年連続のオールスター出場、自身2度目のオールNBA2ndチーム選出を果たした。
しかし、チームをプレーオフへと導いた功労者を、チームはヤニスとのトレード交渉に含めることを決定。結果的にヤニスを逃した上、ブラウンに“心の傷”を残すことになった。
アリナスは自身のポッドキャスト番組『Gil's Arena』で、セルティックスはブラウンのトレード失敗の余波に対処しなければならないと語った。
「ボストンにとっては悲しい日だね。だからこそ、ニコ(ハリソン/ダラス・マーベリックスGM)は称賛されるべきなんだ。トレードの噂を世間に流しておきながら、結局それを成立させられなかったら、チームは『自分を何が何でも放出しようとした』と知っている選手と向き合わなきゃいけなくなるからね。だから、ボストンはブラウンをトレードに出すしかなくなる」
“ビジネスの世界”でもあるNBAでは、生え抜き選手がトレードに出されることも例外ではないが、アリナスは「ブラウンは忠誠を誓っていた側なんだ」とその胸中を慮る。
「ブラウンは『俺はここにいたい』『俺はボストン・セルティックスの一員だ』と思っていたのに、チームは彼をトレードしようとしたんだ。だからこれから先、もし以前は関係がギクシャクしていなかったとしても、これが決定打になるだろう。ロッカールームの平穏を守るためには、彼をトレードせざるを得なくなる。許すことなんてできないし、選手はそんなに簡単に許したりはしないからね」
28歳のテイタムと29歳のブラウンは、最低でも2028-29シーズンまで5000万ドル(約81億円)以上の高額契約が残る。アリナスは来季の理想のシナリオについて「ボストンがブラウンをトレードせず、彼が今年見せたような猛烈な勢いで活躍し続けて、チームが優勝して彼がファイナルMVPを獲れば素晴らしいストーリーになると思う」と持論を述べる。
「ブラウンは成功を収めれば収めるほど、より幸せになれると思うんだ。世間の人が理解できないこともあるけど、オールNBAやオールスター、アメリカ代表の選出から『不当に(権利を)奪われた』と感じると、心に傷を負い始めるものなんだ。そして、政治的な裏での動きに敏感になったり、『ただ純粋に(バスケの)試合をしたいんだ』と頑なになっていってしまう」
アリナスは昨季のブラウンについて「自分の努力が報われたことで、もっとリラックスしていたように見える」と触れた上で、「俺は、彼にはあそこに留まって、ふさわしい正当な評価を手にしてほしい。俺は、人が然るべき称賛を浴びるのを見るのが好きだからね」と成功を願っていた。
構成●ダンクシュート編集部
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