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「どんぐりの背比べじゃいけない」Chi Chiがマリーゴールド若手に突きつけた厳しい現実

「どんぐりの背比べじゃいけない」Chi Chiがマリーゴールド若手に突きつけた厳しい現実

ここ数年、女子プロレスの世界は新人のデビューが増えている。その中でもトップクラスの活躍を見せているのがChi Chi(フリー)だ。

 2023年3月、Evolution旗揚げとともにデビュー。他団体にも参戦し、センダイガールズ(仙女)では若手の「じゃじゃ馬トーナメント」で優勝し、ジュニア王座を獲得した。さらにEvolutionのシングル王者にも。

 現在はマリーゴールドにも参戦中だ。もともとの狙いはUN王者ビクトリア弓月との対戦。これまで交わらなかった同年デビューのライバル候補だけに注目されたが、弓月が負傷により長期欠場へ。
  それでもChi Chiはマリーゴールド登場を果たすと、若手選手たちを挑発しまくった。橘渚、瀬戸レア、山﨑裕花、南小桃にシングルで連勝。トップ戦線には絡んでいないものの、鋭い舌鋒も含め台風の目になっている。

「マリーゴールドの救世主としてやっていくので」

 そう言い放ったChi Chi。マリーゴールドは弓月に加え岩谷麻優、山岡聖怜と上位陣が欠場中。またエース林下詩美の退団(スターダム復帰)もあり、ピンチと言っていい。そんな中で、Chi Chiの存在は大きな、そして新鮮な刺激だ。

 マリーゴールド勢と闘って感じたことを聞いてみると、自身のキャリアに裏打ちされた言葉が返ってきた。

「経験値が足りてないって感じですね。それが可哀想でもある。
私はデビューからずっとありえない選手とシングルでやってきたので、その経験が今に生きてるんですけど。ここの選手はそれが足りないですね」

 Chi Chiのデビュー戦の相手は優宇。しかも旗揚げ戦のメインだった。Evolutionは新人3人でスタート。毎回、トップ選手たちにぶつかり、叩きのめされながら力をつけてきた。マリーゴールドの若手戦線は見応えがあるものになっているが、それだけでは足りないとChi Chi。

「どんぐりの背比べじゃいけないんですよ。上には上がいると思い知って、悔しい思いをして、その中で同期とか若手の闘いがあるはず。だから自分はありがたい環境にいたなと思います。今度は自分がマリーゴールドの若手の壁になれるならなりたいですね。そういう意味でも救世主になっちゃうかもしれない(笑)」“闘うバービー人形”のキャッチフレーズでも知られるChi Chiだが、ファイトスタイルは強気一辺倒。デビュー前から指導したのはEvolutionを率いる諏訪魔と石川修司。最大の必殺技であるルー・テーズ式バックドロップは、つまり“全日本直系”である。

 卍固めは鈴木秀樹からアドバイスを受け、新人時代に対戦したSareeeとも練習。Sareee、なつぽいのパーソナルトレーナーを務める金原弘光の指導も受ける。フィジカルトレーニングだけでなく総合格闘技にも取り組んでいるそうだ。
 
 金原はUWFインターナショナル、キングダムからリングス、さらにPRIDE、パンクラス、DEEPにも参戦した実力派。Uインターと新日本プロレスの対抗戦にも出場している。プロレスも格闘技も知っている人間から吸収できるものは多いだろう。

「打撃、組技、寝技、それと自主練習も見てもらって、対戦相手に合わせた技の切り返しをアドバイスしてもらってます。プロレスにはない切り返しを教えてもらえるし、試合で出さない技術でも引き出しとして持っておけるのは大きいですね」

 このところ使っている浴びせ蹴りは、諏訪魔のすすめで練習するようになり、金原のもとでブラッシュアップした。代名詞でもあるブーツ(フロントハイキック)、バックスピンキックとともに、相手の顔面を正確に蹴り抜いて観客を沸かせる。

「諏訪魔さんからは“デンジャラスK”川田利明さんにちなんで“お前はデンジャラスCになれ”ってずっと言われてたんです」

 川田ばりの危険な匂いがChi Chiの魅力になっているのは間違いない。団体一丸のマリーゴールドにあって、Chi Chiは“異物”だからこそ輝いている。

取材・文●橋本宗洋

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配信元: THE DIGEST

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