自民党の小渕優子元選対委員長が、「インナー」と呼ばれる党税制調査会非公式幹部会合のメンバーを辞任したいとの意向を、小野寺五典税調会長に伝えた件は一部週刊誌などでは大きく報じられているが、肝心の小渕氏がダンマリを決め込んでいる。
小渕氏の辞意を最初に伝えたのは、テレビ東京だった。辞意を固めた理由について「超党派の社会保障国民会議や自民党内で議論されている、消費税の引き下げに対する反発」と伝えた。
これを受けて小野寺氏が記者団に辞任の意向があることを明らかにし、各社が報じた。小野寺氏は小渕氏について「素晴らしい実績と能力を持っている。考え直していただきたい」と強調。「慰留している」と説明した。
小渕氏の辞意をめぐっては、かつて同じ派閥に所属し、親しくしている石井準一参院幹事長の差し金ではないか、との見方が取り沙汰された。石井氏は高市早苗首相と折り合いが悪くなっており、政局に絡めて「反高市」の動きがようやく出てきた。と沸き立つメディア関係者がいた。
極端なメディア嫌いになったのはトラウマのせいか
だが小渕氏が全く発信しないためインパクトに欠け、首相支持派からはこんな反発が。
「2月の衆院選で自民党は、飲食料品の消費税率2年間ゼロを公約に掲げて戦った。小渕さんもその一員なのに、なんら説明がないまま辞意とはおかしい」
小渕氏は2014年の経産相時代、関連政治団体の観劇会ツアーの収支に不透明な支出があるとして、東京地検特捜部による家宅捜索が行われたが、その直前に事務所のパソコンのハードディスクが電気ドリルで穴を開けられ、破壊された。これが露骨な証拠隠滅を図ったものとして「ドリル優子」という不名誉なあだ名がつけられた。そのトラウマからか、極端なメディア嫌いになっている。
インナー辞任は女性初の宰相になった高市首相の足を引っ張っているイメージがある、と受け止められるのを警戒してのものかもしれないが、こそこそ辞意をもらさず、インナーで堂々と政策論を展開しないと、いつまで経っても「ドリル優子」の汚名を払拭できないだろう。
(岡田哲司/政治ジャーナリスト)

