東京ディズニーリゾートの夜を彩る花火が、夏季に長期間休止することをご存じだろうか。東京ディズニーランドと東京ディズニーシーでは、例年、夏季の一定期間、花火のプログラムを休止している。夏の風物詩でもある花火が、東京ディズニーリゾートではなぜ夏に見られないのか。休止を残念がるディズニーファンの思いと、運営側の見解を取材した。
東京ディズニーリゾートの花火は夏季に休止
今年の夏も、東京ディズニーリゾートでは花火が打ち上がらないようだ。
東京ディズニーランドでは、1983年の開園当初から、名称や楽曲を変えながら花火のプログラムが公演されてきた。
その系譜を継ぐのが、東京ディズニーランドと東京ディズニーシーで公演されている「スカイ・フル・オブ・カラーズ」だ。東京ディズニーリゾート40周年を記念して2023年にスタートした約5分間のプログラムで、おなじみのディズニーソングにのせて、色とりどりの花火が打ち上がる。
しかし、運営元のオリエンタルランドによると、2026年は6月15日から9月14日までの約3カ月間にわたり、両パークで「スカイ・フル・オブ・カラーズ」を見ることはできない。
一日の締めくくりとして花火を楽しみにしているゲストにとって、約3カ月間に及ぶ休止は気になるところだ。なぜ、夏の期間だけ花火は上がらないのだろうか。
実は、同プログラムが見られないのは、あらかじめ休止が決まっている夏季だけではない。
千葉県内に住むディズニーオタク、通称「Dオタ」歴20年以上のリナさん(仮名)は、「毎日のように花火が上がっているイメージがあるかもしれませんが、そんなことはないんです」と話す。
「天候が良くても、貸切営業などで花火が見られない日はありますし、逆に雲行きが怪しくても実施されることもあります。天候による中止は直前まで判断できないことが多く、中止が決まると公式アプリに表示され、園内でもアナウンスが流れます。
夏は南風が強くなるので、周辺の住宅地に花火のチリ(花火の燃えかすや細かな破片)が飛ばないよう配慮しているのではないか、というのがファンの間では定説ですね……」
リナさんは、年間パスポートを使って気軽に通えた時代を知る長年の“Dオタ”だ。以前より一度の来園が貴重になった今、最後の花火まで見届けたいという思いも強くなっていると語る。
「年パスがあった頃は、日常の延長で通っている人も多かったんです。私も近くに住んでいるので、公園へ行くような感覚でディズニーランドに行っていました。でも今は年パスがなくなって、毎回チケットを買わないといけませんよね。チケット代も日によって変動しますし、フードやグッズも少しずつ値上がりしています。
だからこそ、どうせ行くなら花火まで見たいという気持ちはありますね。1日の終わりに見ると『やっぱり夢の国なんだな』と思わせてくれるんです」(同)
“事前準備”が必要になったディズニーの1日…花火休止に運営が示した見解
一方、北関東に住むDオタ歴30年以上のユカリさん(仮名)によると、現在の東京ディズニーリゾートでは、限られた一日を効率よく楽しむための“事前準備”が複雑化しているという。
「今は、アプリで予約を取ったり、モバイルオーダーを使ったり、ショーの抽選をしたり、有料パスを買ったりしないと、思うように回れません。限定グッズは、発売初日に売り切れることがありますし、慣れている人ほど、朝からどう動くかをかなり計算しているんです。
一口にDオタと言っても、グリーティングやパレード、グッズ、ホテル、フードなど、目当てが細かく分かれています。ホテルが好きな人なら、花火の見え方にこだわって、部屋の位置や方角を選ぶことも珍しくないです」
花火の楽しみ方にも、“Dオタ”それぞれのこだわりがあるという。
「一般的にはシンデレラ城と一緒に花火を見るゲストがほとんどですが、オタクによっては、推しと一緒にそのキャラクターにゆかりのあるスポットで楽しんだり、花火そのものを見るのではなく、打ち上げ場所の近くで“音”だけを楽しんだりする人もいますね。
夏は花火を鑑賞できませんが、近年は休止期間が終わるとハロウィーン限定の花火プログラムが始まるので、楽しみにしている“Dオタ”も多いと思います」(同)
なぜ夏季には花火が休止されるのか、運営元のオリエンタルランドに理由を尋ねると以下の回答だった。
「花火に限らず、エンターテイメントプログラムの実施は、パーク環境に応じて判断しています」
公式サイトでは、花火プログラムについて、「上空気流の影響により、中止になる場合があります」と案内されている。
天候や環境の影響を受けやすいからこそ、東京ディズニーリゾートの花火は、ゲストにとって貴重なプログラムとなっている。今年も夏季の花火プログラムは休止されるものの、再開を待つ時間もまた、ゲストたちにとって楽しみの一つとなっているのかもしれない。
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班

