自民党と連立を組む日本維新の会に対する「維新疲れ」が、自民党内で出ている。というのも、なにかと連立離脱をチラつかせてくるからだ。
昨年10月に高市早苗政権が誕生した際に公明党が連立から離脱したため、維新の協力は不可欠だった。ところが2月の衆院選で自民党が大勝し、単独過半数を獲得したため、維新の必要性が薄れていることが背景にある。
維新の馬場伸幸前代表は7月1日のラジオ日本の番組で、9月の内閣改造でこれまでの閣外協力から、閣僚を送り込む「閣内協力」に意欲を見せた。
その一方で「副首都」創設法案と衆院議員定数削減法案が今国会で成立しなかった場合の対応について、
「あれもこれもできないということであれば、連立に入っている意味がない」
改めて連立離脱の可能性をチラつかせ、自民党を牽制したのである。
この発言を報じた時事通信の記事を読んだ自民党中堅議員が、吐き捨てるように言う。
「離脱、離脱にはウンザリする。自民党内で副首都や定数是正に賛成しているのは、ほとんどいない。高市首相が維新に恩義を感じているから、付き合っているだけ」
「維新は政治のお作法ができていない」
皇室典範改正案をめぐっても、維新の藤田文武共同代表が最後まで難色を示したため、自民党・麻生太郎副総裁が6月30日午前に藤田氏と会談。協力を要請し、夕方の閣議決定にこぎつけた。前出の中堅議員は、これにも憤慨するのだ。
「副総裁に事実上、頭を下げさせるなんて、維新は政治のお作法ができていない」
ちなみに、とある閣僚経験者は、
「それなら維新とは連立を解消し、公明党との復縁、あるいは国民民主党という新たなパートナーを迎えればいい」
と漏らしているのだが…。
もっとも、維新としても存在感を示さないと、巨大与党の中で埋没してしまう。自民党と公明党の連立政権は約26年間も続いたが、「選挙協力」で利害が一致していた。
自民党と維新はそうした「ギブ・アンド・テイク」の関係ではないため、求心力を維持するのは容易ではないようだ。
(岡田哲司/政治ジャーナリスト)

